相続の対策で一番、大事なのは遺産分割対策といわれているのは、よく、耳にするところです、
確かに遺産分割協議がまとまらないと、納税のために土地の売却が必要となった場合でも、どの土地を売って売却にあてようかと話し合ったところ、長男はA土地を売却したい、長女は何言ってんのA土地は私が欲しいの、C土地にして・・・C土地は俺がもらいたい、のこりは、B土地、このB土地は売るのに時間がかかりそう、もしかしたら申告期限に間に合わないかもしれない、そして、兄弟で延々と争相続の状況・・・こんなことであれば、もっと早く、B土地を売却しておけばよかったのに、ただ、B土地の売却に時間がかかったとしても、とりあえず、延納の申請をして売却後、即日、延納税額全額を支払う方法はありますが、それでも、売るのに時間のかかる不動産では不安が残りますし、ある程度、時間をかけてさばきたいもの。
そして、節税の面でも遺産分割協議が整っていないと不利益につながります。
小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例や配偶者の税額軽減の特例は、未分割状態の財産については適用されないこととなっているからです。
すべてにおいて円満といわずとも、多少の不満はあるにせよ、目指すべきは円滑な遺産分割ではという気が起きてきます。
その遺産分割に備えて、財産をよく整理しておく、いわゆる棚卸ですね。
特に、不動産の棚卸、25年前は〇億円の土地も今では〇千万円かもしれません。
自分の財産の今現在の価値を再認識しておいたほうがよさそうです。
そして、できれば、抜け目なく生命保険等を利用して、遺産分割や納税資金に役立つ準備もしておきたいところです。
この生命保険も税務的には、なかなか、ややこしい面が、ありますから要注意です。
みなし贈与や権利の移転にはデリケートに対応したいとこでしょう。
生保の担当者のかたも、千差万別、詳しく相談に乗ってくれる人もいれば、とにかく契約を迫るかたもいます。
私が住宅を売っているころは、正直、お客様のその後の住宅ローンの返済を考えている事はなかったに等しいです。
返せるか否かよりも借りれるか否かを考えていました。
FPとしては、失格ですね。
もっとも、当時はFPの資格は取っていませんでしたし、FPそのものに興味はありませんでした。
会社の正義は消費者にとっての正義ではないというものの、そんなこと言ってる場合ではありません。
結局、何がいいたいかというと、何ていうのでしょうか、きちんとした説明義務を果たす・・・生保業界もこの説明、なぜ、この保険商品なのか・・・総合代理店では問われているような風潮を感じます。
最近、お話を聞いている生保のかたは、生保の税務も詳しく、内容や仕組みの説明も丁寧に対応していただけるので、住宅営業マン時代の自分と重ね合わせると、もちろん、当時と時代は違うものの、その対応ぶりには感心させられます。
決めるのは、最終的に消費者やクライアント、大事なのは、いろいろなパターンでの情報提供ときちんとした説明義務を果たすことではないかと思う今日この頃です。
先日、30歳前半の女性からマンション売却と戸建住宅新築の相談がありました。
この女性は、独り暮らしで、都内に1900万円の中古マンションを、購入して住んでいます。
相談の内容は、戸建住宅の新築を考えている・・・それにあたってマンションは売却(簡易査定2300万円)した方がいいものか・・・否か・・・
そして、建築資金は、祖母から1000万円位、贈与で貰えそうであるとの話しでした・・・
年収は400万円を少し下回る位、都内で事務の仕事をしているそうです・・・
そもそも、建築地の手当てはと尋ねたところ・・・祖母(現在85歳)から3歳の時に貰っているとの回答・・・
そして、いろいろな、質問をさせていただきました・・・
お祖母ちゃんは、母方ですか、父方ですか・・・母方ですとの回答・・・
母方で貰える・・・?お母さんの兄弟は何人ですかと尋ねたところ・・・弟が一人ですとの回答・・・
伯父さんがいるのに貰える?・・・従兄は何人ですかと尋ねたところ・・・10歳位年下の男の子の従兄が一人との回答・・・
すなわち・・・お祖母ちゃんの孫は2人で、あなたは初孫のただ一人の女の子の孫ですねと、当たり前すぎる質問をしました・・・
さらに、相当、可愛がられてきませんでしたかと尋ねたところ・・・溺愛状態だった様子・・・
さらに、過去にお祖母ちゃんから近くで住まないかと手招きされませんでしたかと尋ねたところ・・・20歳から実家(立川)を離れて都心で暮らしているが、何回か戻ってこい(お祖母ちゃんは多摩)と言われているとの回答・・・
そして、中古マンションの購入は、お祖母ちゃんが、がっかりするので秘密にしているとのこと・・・
中古マンションが駅近くで便利なことから、離れがたく、その悩みもあるようでした・・・
ここで、住宅取得資金の贈与税の非課税の規定のお話をさせていただきました・・・
住宅取得を目的とした資金の贈与は1000万円は非課税であること・・・その条件として、原則その資金をつかった住宅に来年3月15日までに住むこと、遅くとも来年中に住まないと非課税の適用にはならないと説明しました。
お祖母ちゃんは、この贈与の非課税を利用して自分の元気なうちに近くに住んで欲しいと思っているのではないですかと話ししました・・・
これは、住宅取得資金の贈与の非課税を利用したお祖母ちゃんからの最後のプレゼントのような気がしますねとお話しました・・・
相談に来られた本人は、そもそも、住宅取得資金の贈与の非課税の規定など知る由もなく、いきなり、1000万円の贈与があるらしいと伝えられ、訳もわからずに、いま建てたほうがいいのか、マンションはどうしたらいいかのアドバイスを求めたかったようです・・・
本人は、住宅取得資金の贈与の非課税のことを知って、すっきりした感じでした。
期限のあることもしり、戸建住宅の新築で考えるようでした・・・
そうなると、中古マンションの行方ですが・・・売るべきか、残すべきか・・・です・・・
私は、先ずは、維持できるか否かを検証したらと話しました。
セカンドハウスローンもしくは賃貸住宅のローンとしての組み換えが可能であるかを調べてみたらと奨めました・・・
こうなってきたら、銀行に直接、話を聞くのが一番、早いと・・・奨めました・・・
キャッシュフローは中古マンションを賃貸に出せば何とかなりそうですが、融資が組めなければ元も子も無い話ですからと・・・融資の承認が取れるとなったら考えてみるように話しました・・・
悩んでいるなら、その可能性を追求して、調べて調べつくしてから、結論を出した方が後悔は少ないでしょうと奨めました・・
もっとも、売却の方向で考えているような感じはしましたが・・・
平成25年から、教育資金の贈与税の非課税を利用するため、かなりの方がその利用のための手続を始めたそうです・・・
まさに、NISAか教育資金かといった感じです・・・
生前に、子や孫にまとまったお金を贈与してあげたい、または、出来る方、考えている方が、相当数いらっしゃるということでしょうか・・・
住宅取得や教育資金に該当する子や孫がいない場合は、暦年贈与を利用しての生前での財産継承となるでしょう・・・
ただ、80歳を過ぎてくると、生前贈与加算のことを考えなければなりません・・・
住宅取得や教育資金のような非課税は80歳をすぎても安心して利用できますので、この需要は大きくなっているのでしょう・・・
何か、住宅取得や教育資金の非課税と代わりとなるいい手立てはないか・・・
生命保険の商品等を使って・・・と考えてみました・・
そんななか、解約返戻金の無いと言っていほど解約返戻金の低い商品で死亡時に一時金の出る商品がありました・・・
その保険料を、契約者としてお祖父ちゃんかお祖母ちゃんが一時金で支払い、被保険者である親が死亡した時に、保険金受取人である孫に一時金が入るといった場合・・・
お祖父ちゃんかお祖母ちゃんは、保険会社にお金を払っていますので、その契約者の地位を親が引き継ぐ場合には、お祖父ちゃんもしくはお祖母ちゃんの相続時には、契約者たる親が自由に使えることのできる解約返戻金相当額が相続税として課税されることとなります・・・
被保険者たる親が死亡した時には、親が保険料を負担した者とみなされて、孫に相続税が課税されることとなります・・・
ここで、被保険者の親に生命保険の非課税枠に余裕があれば、非課税という結果となるでしょう・・・
これは、生命保険金の非課税枠に余裕がある親族の非課税枠を余すことなく利用できるといった効果が産まれるということでしょうか・・・
最も、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんが70歳代であれば、暦年贈与の生前贈与を利用すべきでしょうが・・・
あくまで、80歳代で暦年贈与は生前贈与の加算が心配といった場合にいかがでしょうといった程度のものでしょう・・・
この保険では、被保険者一人で一時金500万円が限度ですので、1000万円くらいの利用が目安となるでしょう・・・
たかが、1000万円、されど1000万円。超過累進税率が30%である場合、約300万円弱の相続税の削減効果となってきます(厳密には、ほんの少しの解約返戻金がありますので満額が対象とななりませんが・・・)。
80歳を過ぎて、住宅取得や教育資金の非課税が利用できないといった場合、その代わりになるものはと思い、調べてみたわけですが、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんの年齢や親の年齢等々・・・いろいろな条件次第での判断となるかなと感じています・・・
しかし、80歳を過ぎると相続対策に限界を感じます・・・やはり、相続対策は、早目、早目、に考えて手を打った方がいいなと・・・改めて感じ入りました・・・
先日、某生命保険会社の代理店向けのセミナーに参加してきました・・・
冒頭は、医療保険不要論と先進医療特約のメリットのお話でした。
医療保険は不要・・・必要なのは先進医療特約・・・それも交通費用までカバーできる商品にすべきとのこと・・・
それはそうです・・・先進医療が受けられる医療機関は遠方にあることも珍しくなく、交通費が出るのは本当にありがたいものでしょう・・・
そして、後半は、相続対策と生命保険についてのお話でした・・・
金融商品のなかで相続の対策に、一番向いている、適しているのは・・・生命保険です・・・が、話の始まりでした・・・
それは・・・なぜか・・・
もはや、聞きなれた感のあるお話を事例をもとにされました・・・
第一に、何といっても、生命保険は、民法上、受取人の固有の財産であること・・・
すなわち、遺産分割対象の相続財産に加えなくていいこととなるわけです・・・
つまり・・・遺産分割対象外・・・ということは民法上の相続財産を共有する関係にある相続人との話し合いは不要ということになります。
これは、遺言書で財産の取得者を指定しなくても、現金を生命保険にしてあげたい人を保険金受取人に指定しておけば、その目的は達成されることとなります。
シンプルに、2000万円を長男に全額遺してあげたいといったような時は、生命保険に加入しておけば、遺言書を書かなくても事は足りてしまうこととなってきます。
もっとも、そのほかの財産の分割をどうするかという問題もあり、生命保険だけで相続の遺産全体の分割をカバーするのは無理ですので、円滑、円環な遺産分割には遺言書は用意したほうがよろしいでしょう。
また、固有の財産であることから、他の預貯金は遺産分割書や遺言書または相続人全員の合意書(実印と印鑑証明書が通常は必要)がなければ、勝手におろすこともつかうこともできないのに対し、生命保険は何らの他の相続人の書類等の必要もなく保険金受取の手続きが出来ますので、面倒なく現金を受け取ることができます。
介護の面倒を見てくれた特別な人に特別に遺してあげたい・・・といったような時にも有効でしょう・・・
この、固有の財産としての特性を活かした相続対策は、家族信託を利用しても可能となってきます・・・
生命保険がいいか、家族信託がいいかは・・・ケースバイケース・・・
その人その人の状況や事情や財産構成や相続人の数や関係、さらには、財産を残したい人の気持ち・・・どうしたいのか・・・によって、一番、理想に近い形での方策をいくつもの対策のパターンから選択していくほか方法はないでしょう・・・
大体において、あちらを立てればこちらがたたず・・・が、世の常・・・どこに妥協点を見出していくか・・・
できることなら、そのいくつもの対策のパターンと妥協点の見出しに真剣に向き合ってくれる人に、相続対策の生命保険の提案は頼むべきかもしれません・・・
生命保険を利用したパターンや家族信託を利用したパターンなど・・・比較検討したほうがいい場合も当然に出てくるでしょう・・・
結果は同じでも・・・検証に検証を重ねておけば・・・いざ、相続といったときに・・・あのとき、こうしておけばといったようなことは起こりにくいでしょう。
何事も、いろいろなパターンをシミュレーションして、自分の希望にあった方策を探し出してみましょう。
今回は、遺産分割のお話が長くなってしまいましたので、次回に、(税金編)について、お話させていただきます。
いま、終活という言葉をTVや雑誌その他メデイアを通して浸透してきます。
終活という言葉は、いつ頃から使われ始めたのでしょうか?
自分の人生の幕引きのために、何を備えてどのように過ごしていくかを考えるべきものなのでしょう。
エンディングノートというものも、ほんの数年前からもてはやされるようになりました。
法的に自分の財産を誰にいくら継承していくか、自分の希望を遂げるためには法的効果をもつ遺言書を遺しておくしかありません。
あくまでも、誰に、何を、幾ら、といったようないかにも事務的なもので、その本人の心にある思いが伝わるものとは、到底、思えません。
もっとも、付言事項といって自分の思いも一緒に遺しておく事はできますが、一から考えて書き記しておくのはとても、面倒であり、かつ、難しそうです。
その点、エンディングノートなるものは、書いておきたいことや書いておくべきことが、項目ごとに整理されています。
その項目ごとに、自分の思うまま自分の思いを書き記しておけばいいのです。
よく、自分の死んだことを考えて、何かを書いておくのは、気が進まないというお話を、良く耳にします。
誰もが、自分の死は想定したくないもの
自分の死を前提とすることを考えて何かを書き残すには早すぎる等々
それでも、最近は、自分の葬儀等に関する希望などを書き遺しておく方が増えているようです。
祭壇に使う写真から祭壇のお花や作り方、弔問にお呼びするかたなど
自分の人生の最後の締めくくりは自分の思うまま、好きなように行いたいということでしょう。
また、終末医療に関しては、延命治療はして欲しくない、いたずらに機械の手を借りて何の意識も無くただ、息をしているだけの最後の時間は迎えたくないといったことでしょう。
この終活を考えるうえでのポイントは、健康寿命といわれる五体満足で頭の意識もしっかりしている健康でいられるときから最期を迎えるまでの時間でしょう。
セカンドライフといわれる定年を迎えてから健康でいられる健康寿命の期間は、現役時代には多忙を極め手をつけられなかった趣味やボランティア活動、そして孫の世話、等々、充実した時間を過ぎせることと思います。
問題は、体が弱って、歩くのもままならない、認知も始まってきた、その果てに介護が必要になってきた、というような場面でしょう。
この問題は、その個人、個人、の置かれている状況で全く、その対処の仕方は変わってきます。
独身の一人身なのか、子どものいないご夫妻なのか、子どもは仕事で遠方に暮らしており年に1~2回会えればいい方というご夫妻なのか、子どもと2世帯住宅で同居しているご夫妻なのか・・・
子どもと同居していないご夫妻や単身者の場合、終の棲家をどうするか、真剣に考えておく必要がありそうです。
いま住んでいる子育て期間中に購入した戸建住宅は坂の多い丘陵地帯で道路から玄関まで何段もの階段を上り下りする必要があるといった場合、健康寿命を過ぎたあたりからは、とても住めたもんではなさそうです。
また、子育て中は、利便性よりも環境優選で郊外の住宅を選ぶ傾向もあります。もっとも、子どもの教育資金もあって予算の関係で郊外型を選んでいるケースも多いでしょう。
とにかく、日々の買い物も車、病院に行くのも車、市役所に行くのにも車、図書館に行くのにも車、このような当たり前の生活が、健康寿命をすぎると、とてつもない負担となってきます。
要介護になった場合、行政の福祉である程度の手助けは期待できるものの、どこまで辛抱して暮していけるでしょうか。
このような将来の健康リスクに備えた終の棲家を、真剣に考えておく必要があるでしょう。
坂道の少ないフラットな街、病院やスーパー、公園に近い環境、老人介護施設の充実している地域、等々
老後の暮らしやすい街、
そしてその住居の形態はどうするか、分譲マンションかサービス付き高齢者住宅か、有料老人ホームか、等々、また介護の状況がひどくなってきたら特養を申し込むか、等々
そして、大事なのは、終の棲家のための準備資金です。
どのように工面するか、
いまの住居を売却するか、賃貸にだしてその賃料で終の棲家の入居費用とするか、リバースモーゲージを利用するか、等々
終の棲家入居計画には、周到な準備が必要そうです。
今の家はいくらで売れるのか、貸したらいくらで貸せるのか、バリヤフリーのリフォ―ムで体が不自由になっても暮せるものか、子どもは定期的に様子を見に来てくれるのか、
そもそも論として、自分の健康状態が、最も気になるところです。
若いころ、丈夫だったといっても安心できません。
かえって、油断して体を酷使してしまっているやもしれません。
体のケアや定期健診をしっかりおこなって、健康寿命を少しでも延ばしたいところです。
とにもかくにも、将来の健康でなくなった時をかんがえて、終の棲家を改めて探す必要がありそうかどうかを考えてみましょう。
そして、新たな終の棲家を求める時には、その実現のための一番、理想と思われる手段を考えてみてください。
そして、一つ、一つ、健康に気を使いながら準備していく。
備えあれば、憂いなしです。
早目、早目、で準備をはじめていってください。
昨年からの相続税基礎控除額の減額にともなって、あらゆるところで相続対策という文言を目にします。
TVの画面や新聞紙上や書店にならぶ書籍等々・・・
相続対策とは具体的に何をしておくことなのでしょうか・・・
一般的には・・・
第一には、円滑・円満に相続人間の相続財産の継承がスムーズに行われるように配慮した遺産分割の対策といわれています。
どの子供に何を遺してあげていってあげようか・・・
それを決めることができるのは、その財産を遺して行く本人のみです。
とはいえ、自分が亡くなったあとは、子供同士で仲良く話し合って分けてもらえれば構わないという方もいらっしゃるでしょう。
子供同士に任せてしまうと、後々、争族となってしまうことが多いようです。
争族対策には、まずは遺言書を遺しておき、自分の思い描いた形での遺産分割を円満とはいかずとも円滑に進められるようにしておくべきでしょう。
そして、第二には、相続税がかかってくるか否かにもよってきますが、相続税がかかってきそうな場合には、その納税の手段を考えておく、いわゆる納税対策が必要となってきます。
現預金で、納税資金として充分であるのか、現預金で不足する場合には、不動産や株式等を売却して充当するのか、相続発生前にあらかじめ考えておくことは、とても重要です。
最後、第三には、相続税の負担を下げるべく対策を講じていく節税対策となります。
生前贈与や貸家の建築やタワーマンションの購入など、その対策方法は多種にわたり、その人にとって最適な方法を見出していく必要があります。
このような、相続対策を講じいていく場合には、当たり前の話ですが相続財産の全体を見据えたうえでの何のために行う相続対策であるかの目的を明確に考えておくことが、とても重要です。
仕事がら、土地活用のご相談を受けることがあります。
例えば、駐車場に建設協力金でコンビニの建物を建てて貸しませんか、との提案を受けているが、この立地でコンビニで問題はないでしょうか・・・といったような相談がありました。
現地の調査等により、コンビニで問題はなさそうと回答しましたが、実はコンビニだけの案の他に、コンビニの上に4層の賃貸マンションを併設する案もでていましたので、どちらのほうがいいかとの質問もありました。
大井町と西大井町の約中間地点に位置することから、住居系の計画は全く問題もなく、長期で考えればコンビニ併設の賃貸マンションが理想的ではありました。
この相談を持ちかけたご主人は、大手企業のサラリーマンで生活費には全く心配のない方でした。
そして、この駐車場の他にも先代からの相続でいくつかの不動産を所有していました。
けっこうな資産家です。
その御主人はこの駐車場にとってよりよい土地活用はなんであるかしか頭にはないようでした。
この質問に答える前に、実はこの相談者ご夫妻にはお子様がいらしゃらなかったので、この駐車場後の土地活用は誰のために遺してあげることを目的として考えているのですかと聞きました。
そして・・・
コンビニだけの計画は建設協力金方式であり契約期間途中で撤退すると建設協力金の残金の返済義務はなくなることとなっていましたので、建設協力金返済後の賃料の残金は何の心配もなく使えることをお伝えました。
賃貸マンション併用の場合は、賃貸マンション部分を借入する計画でしたので当面15年くらいはローン返済後の余剰金には手をつけずにローンの残債近くを貯めておくほうが無難であることをお伝えしました。
要は、当面15年から20年は、コンビニだけの計画のほうが、何の心配もなくお金が使えますが、賃貸マンション併用の方は、15年から20年後以降は、より多く使えるお金は増えるとお答えしました。
そこで、お子様がいないのに例えば20年後(相談者は60歳くらいの方でしたので20年後は80歳)に、潤沢にお金が使えるようになっても、何に使いますかと聞きました。
超高級老人ホームには入居できましすが、それよりも、元気に動き回れる70代までに何の心配もなくお金を使ったほうがいいのではと、私の所感を述べさせていただきました。
結論、私であれば、子供がいれば賃貸マンション併用、子供がいなければコンビニのみ、の計画にしますとお話しました。
ただ、甥や姪に、より収入のあがる不動産を遺してあげたいのであれば、賃貸マンション併用にしますがと付け加えてお話はしました。
極論、誰に遺してあげたいかが明確になっていないより稼げる不動産を遺すために老後の元気な期間を我慢して生きるよりも、奥様が御一人になったあとの老後の資金をきちんと準備したうえで、楽しく使ってしまうのも一つの考え方ではないでしょうかとお伝えしました。
この、お話で、コンビニだけの計画で進められることとなりました。
後日、ハウスメーカーの担当者から、無事、コンビニの計画が完了しましたとのお礼の連絡がありました。
その際、本当はマンション併用が有難かったんですがと冗談まじりに言われてきましたので、お子様がいらっしゃらなかったのでとご説明しました。
その時に、その担当者は、初めてそのお客様にお子様がいないことを知ったそうです。
なんで確認しないのとお話したところ、失礼になるから聞けないとの答え・・・
結局は、ハウスメーカの営業も、相談者もその駐車場に新たな土地活用をすることによっていくら儲かるとか、貸家建付地でいくら相続税の評価額が下がるのかと・・・そのようなお話に終始していたわけです。
誰に何を遺してあげたいのか、毎年の使えるお金を増やしたいのか、納税の資金源としたいのか、節税も目的としたいのか、といったような何のための相続対策かを、よくよく考えて実行していくべきでしょう。
ただ、何をすべきか、その効果として何が得られるかが、分からないと目的や目標は設定しにくいもの・・・
何をすべきか、その結果として何の効果が得られるのかは、全ての土地の調査をして、現状分析を行ってから考えつくものです。
まずは、調査、現状分析、を行ってから、目的や目標設定を考えてみましょう。
東京五輪の一部会場の移転が物議を醸しだしています。
個人的には、復興支援的な発想での移転の賛成派ではあります。
そして、東京五輪に向けて、インフラ工事が活況を呈してきています・・・
国立競技場周辺や湾岸エリア周辺の変貌ぶりが楽しみです。
魅力的な新しい街並みに生まれ変わっていくことでしょう。
この東京五輪景気に湧く中、投資ファンドの動きも活発化しているようです・・・
東京五輪景気、さらには大胆な金融緩和、都心部の不動産相場はミニバブル化しています。
海外の投資家は東京都心部の不動産を投資の対象としてくるでしょう・・・
不動産の相場は、まさに重要と供給・・
買いたいという需要が大きくなればなるほど・・・価格は跳ね上がってきます・・・
ファンドのミニバブルの時も、面白いようにファンド同士の競い合いあいで、不動産相場は跳ね上がってきたものです・・・
東京五輪までの一定の時期までは、上昇を続けるであろうといわれています。
そして、東京五輪前のいずれかの時点で、このバブルはまたもや泡となって消え去るのではという声も耳にします。
海外投資家のお金の流れでも左右されるでしょう・・・
儲けるだけ、儲けて・・・
日本の不動産市場からさようなら・・・するやもしれません。
もはや、土地神話のごとく、不動産至上主義ではなくなり、不動産の相場も上下する時代となってきたようです・・・
国家的イベントを控えてその期待感で土地の値が上がる・・・そして値が下がってくる・・・
この繰り返しとなってくるでしょう・・・
このように考えていくと・・・
これからの資産防衛は、土地も株式等と同様に相場は上下していくものと考えられることから、土地神話的な土地保有に拘った財産形成には限界で来ているのかもしれません・・・
冷静に、財産のポートフォリオを考えて、土地を遺すのではなく財産を遺すといった考えで、資産形成を図っていくべきなのでしょう・・・
そして、財産の資産形成を変えていくのには、都度都度、税金がからんできます・・・
税金・・・それも、子供、孫の代までを含めた税金の負担を考慮しながら考えていきたいものです・・・
税金もわかって、不動産や保険の知識や実務経験をもっている・・・
そんな、トータルでアドバイスできそうな専門家を探して相談していくことが賢明でしょう・・・
あなたは、土地を遺しますか・・・? 財産を遺しますか・・・?
頭の痛いテーマですが、数字的根拠を示しながら、考えていくと妙案が浮かんでくるかもしれません・・・
大事なのは、財産の現状把握から分析が第一であり、そして分割や納税、節税を考えていく・・・。
当たり前のことを当たり前に考えていくことこそが、一番、重要なことでしょう・・・
昨年年からの相続増税によってTVや週刊誌等で生前贈与という単語を良く見かけるようになりました。
相続税の基礎控除減額分の相続税の課税価格を下げるべく手段として生前に贈与で次世代に承継しようというものです。
暦年贈与の基礎控除額110万円を活用するのと贈与税と相続税の超過累進税率の違いを見据えての対策です。
例えば年間200万円を一人の子供に贈与すると200万円ー110万円×10%=9万円の贈与税が発生します。
この贈与を10年間実施すると合計90万円の贈与税の負担となってきます。
そして相続税ではこの効果はどうなるかというと10年間で2000万円の相続財産が減ったことになりますので、この2000万円が減ったあとの相続税の超過累進税率が10%超の対象となる場合は、それだけで節税効果が表れることとなってきます。
また生前贈与の贈与税の特例として、住宅取得資金、教育資金、結婚資金等、の特例があります。
ここで、注意したいのは、やはり、ブームともいうべき流れでしょうか・・・
相続増税時代の到来といった流れで、地主さんの間では相続税対策としての貸家建築がブームとなっているようです。
建築業者の貸家建築=相続税対策といった営業攻勢でその気になってしまうようです。
建築業者が相続財産の全体を把握して遺産分割や納税方法まで包括しての貸家建築の提案で有ればよろしいのですが、どちらというと、その建築地単体での節税効果や資金収支上の建築計画であることがほとんどでしょう。
相続税がいくら軽減できる効果が得られますとはいうものの、そもそも論として相続税がいくらかかってくるかは把握していない状況であったりしますので、具体的にいくら下がってくるのか、又、全体的に見た資金収支上のメリットがどの程度得られるのかは不明瞭なケースが殆どでしょう。
この全体としてのメリットとリスクの許容の判断は、いずれにしても自己責任となる訳ですが、それでもメリットばかりの話が多く借入リスクなどのデメリットの話は少ないような気がしています。
このことと似ていることは相続対策と言っては生前贈与を謳い文句に生前贈与を利用した生命保険や教育資金の信託等の加入をすすめてくるケースが思い当ります。
確かに、遺産分割対策や相続税の節税対策にも有効な手段となり得るものではあります。
ここで、注意したいのは、やはりリスクやデメリットのお話をせずに奨められるケースが多いことです。
生前贈与のリスクやデメリットにもいろいろありますが、むしろ税務上のリスクである名義預金などについては、実に慎重に対応されています。
贈与契約書は締結してくださいとか、お子様が通常使用されている預金通帳に振り込んで下さいとか、毎年、同じ日付けは避けて下さいとか、毎年同じ金額で振り込まないでくださいとか、この辺りの対応はきちんと説明されています。
注意したいのは、むしろ老後の生活設計について、きちんとお話をしているかです。
老後の介護の問題、住居の問題(2世帯の同居を前提に考えていたものの、結局別々に暮らす等)、趣味や趣向(旅行やロングステイの夢等)など、これからの暮し方によってのお金の使い方を確認しているかです。
この辺りは、余計なお世話的の面もありますので、触れればよいという訳ではないでしょうが、生前贈与で子や孫にいくらずつ渡しておきたいと相談されたときに、老後の暮らし方とお金の話はさせていただくべきと考えています。
相続財産を多く遺してしまうと相続税での税負担が多くなってしまうとうことはありますが、老後の生活資金はそれとなく多めに残しておきたいところです。
いろいろなパターンで相続税と贈与税の税金負担のシミュレーションを重ねて、どの程度の生前贈与額としておくべきかは、ご自身で良く考えてみるべきと思います。
くれぐれも、保険や信託確保を目的としたセールストークで判断しないでください。
そして、流行りの教育資金の一括贈与の非課税の特例・・・
平成25年から税制改正で導入されたわけですが、聞いた話では教育資金の贈与というと何でもこの非課税の申請をする方が多かったようです。
この非課税制度は、あくまでも、将来に向けた教育資金を今のうちに一括贈与するものが対象です。
例えば、5歳の孫にこれからの小学校、中学校、高等学校、大学、大学院の資金としてMAX1500万円が非課税してもらえるものです。そして、教育資金を学校に支払った都度、その領収書を教育資金管理契約を締結した取扱金融機関に提出することとなります。これで適正に教育資金として使われているかが確認できるようになっているわけです。
学校の入学の都度におじいちゃんかんから、入学資金や学資の贈与を受けた場合には、上記の非課税申請ではなく、もともとの贈与税の非課税
の規定でことたりることとなります。
今回の教育資金の一括贈与の非課税は、あくまでも一括贈与した場合で、その都度の贈与の場合は従来の贈与の非課税が適用されます。
いま、生前贈与を検討されているかたは多いものと思います。
生前贈与の場合は、以上の点を気にかけてみてください。
昨年からの税制改正で相続税が増税となりました。
反して、贈与税は非課税の特例が拡充されるなど、生前に次世代に財産が継承されることによる景気対策がとられました。
相続税の基礎控除額の減額にともなった相続税対策として生前贈与をいかに上手に活用できるかがポイントとなってきました。
そんな生前贈与の注意したい点をいくつか紹介していきたいと思います。
今回は、贈与そのものの行為についてご紹介したいと思います。
贈与とは、財産の一部や全部を誰かにあげる行為を言います。
この誰かとは、一般的には配偶者や子ども、孫などの家族が多いのですが、全くの第三者にもあげることもできます。
また、その対象となる財産は、現預金にかぎらず、家や土地などの不動産、株式、保険金の権利、車、ゴルフ会員権等、財産となるものはその全てが対象となります。
この贈与には、税法上、2種類の贈与があります。
あくまでも、税金の計算上の分類ですので税金の計算上のお話とご理解下さいj。
一つには、暦年贈与といわれるもので、毎年110万円までの贈与には税金が課されないこととなっています。
この110万円は、その1年の内に贈与でもらった財産の全てが対象となりますので、例えば父から100万円、母から100万円を贈与で財産をもらった場合、合計の200万円のうち110万円が課税の対象外となり残りの90万円が課税対象となります。
もう一つは、相続時精算課税というもので、贈与をした人毎に2500万円までがその贈与をした人の相続発生までは贈与税はかからにこととなります。
これは、贈与税が非課税となるのではなく、相続時精算課税制度を選択した後の贈与は、その贈与をした人の相続税の計算の時に、その贈与で取得した財産の贈与時における評価額を相続税の課税価格に加算することとなっており、その加算後の課税価格とみなされた金額で相続税を計算することとなります。
読んで字のごとく、まさに相続時において精算の計算をするということです。
暦年贈与課税と相続時精算課税のどちらの贈与の方法がいいかは、その人、その人の状況や目的によって、千差万別、異なってきますので、一概にどちらがいいとは言えないこととなります。
この贈与という行為は、あげる人ともらう人の両者の合意があって成立する契約の一種といわれています。
このことから、税務上は、例えば、父親が子どもに内緒で子ども名義の口座に預金を積んでいた場合、贈与があったとはみなされずに父親の祖属財産として相続税が課されることがあります。
また、税務上、贈与と認められるのには、贈与で財産をもらった人がその財産を自分で所有、管理しながら自由に使える状態であることも大きなポイントとなってきます。
たとえ、あげた人ともらった人の間で、贈与の合意があったとしても、例えば、もらった人名義の預金の通帳を渡していなかったというような場合には、贈与として認められないということになりかねません。
さらに、安全をみれば、贈与契約書なるものを、都度、両者で交わしておくべきというお話も良く耳にします。
税務上は、名義預金という名称で、相続税の調査の時には、厳しくチェツクされるところとなります。
生前の預貯金のお金の流れは、税務署は銀行等に情報開示を求めることができますので、徹底的に調べられますので、注意が必要です。
これは、善意、悪意にかかわらず、その事実があれば、その事実通りに課税されることとなってきます。
知らずにやったことでも、税務上は、知らないことが悪いということになってきます。
そうであれば、もっと、分かり易い税金計算にして欲しいとも思いますが、それを言ってみても仕方ないことです。
現実的には、親の気持ちとしては、生前に贈与でお金を渡してしまうと、子どもは安心して貯金しなくなるとか、散在してしまうとかで、内緒で贈与してしまうケースが多いと思います。
税務上は、それは、名義預金といってきますから、子どもに自由に使われないように、贈与したお金で生命保険やNISAを利用した金融商品等に加入させればよいかもしれません。
税務上は、贈与の契約の成立云々を取りざたしますが、遺産分割上は、贈与した人がこの人にあげるとはっきりと意思表示したものですから、贈与としての契約が成立していないから、その財産は贈与された人のものではないといったことは少ないでしょう。
そういった意味では、名義預金は、税務上は問題はありそうですが、遺産分割上の有効な方法とはなりえそうです。
ただ、特別受益の持ち戻しの対象となりますので、持ち戻しの計算までして考える必要はでてきます。
税務上、名義預金に目を光らせるのは、親から子どもに黙って子どもの預金に積み立てて行くわけですから、当然、贈与税の申告がなされずに時効期間である6年間が過ぎて、結局、贈与税も相続税も課税できなかったということが、多くあったからでしょう。
親の気持ちとして、子どもに財産を遺してあげてることを知らせたくない、使われたくない、結局、名義預金となってしまう。
いっそのこと、あげた者から贈与税の申告ができるようにすればいのではと思ってしまいます。
とはいうものの、現実的なお話ではないでしょう。
相続税の基礎控除減額にともなって、生前贈与を考え始めているかたは多いと思います。
名義預金にせずに、子どもにきちんと大事に遺していって欲しいという場合には、やはり、贈与であげた資金を元手に生命保険に加入するのが、いい方法と思います。
終身保険で、なるべく、利率のいい商品か、ドル建ての積立もいいかもしれません。
ただ、単に、贈与をせずに、贈与した後の使い道を、きちんと示唆してあげた方がいいかもしれません。
気持ちが大きくなって、いきなり新車の高級車で里帰りということにならないように、自分と子どものライフプランを考えながら贈与計画を練られることをお勧めします。
たかが贈与、されど贈与、しっかりと贈与計画を練ってみて下さい。
今回も引き続き生前贈与の注意すべきことに簡単にお話させていただきます。
まず、贈与税が課される場合とはどんな場合となるでしょうか・・・簡単に確認してみます。
例えば、親から子どもや孫に生活に必要なものやこずかいを渡したりしても贈与税はかかりません。
学校や塾などの教育資金として必要なお金も同様に贈与税はかからないこととなります。
また、一人暮らしのための生活資金、例えばアパートの敷金や礼金、家具や生活用品の費用なども贈与税の対象外となります。
これは、扶養義務者相互間での生活や教育に充てるたにした贈与で、通常必要と認められる範囲のものは贈与税の非課税とした規定に依るものです。
当然、扶養義務者相互間ですから家族であることが前提となってきます。
また、日常的な付き合いのなかでの入学や卒業、結婚、出産などのお祝い金や香典なども、常識の範囲内であれば贈与税はかからないこととなります。
離婚に伴う財産分与も、一定の常識の範囲内であれば贈与税はかかりません。
このような、生活や教育に必要な資金で通常、必要と認められるものや、慣例的なお祝い金で常識の範囲内であれば贈与税はかからないこととなります。
また、墓地や仏壇などの仏具等についても贈与税の対象外となります。
上記のようなものや障害者等にたいして配慮した一定の贈与以外のものについては、贈与税の課税対象となってきます。
そして、気をつけたいのが、みなし贈与財産と呼ばれる贈与財産が存在することです。
一般的には贈与でないような気がしても贈与税の対象となるので注意が必要です。
例えば、1000万円の時価の価値があるマンションを100万円で息子等に売却した場合はその差額は贈与されたとみなされることとなります。
また、借金を親が肩代わりするとその分は親からの贈与とみなされます。
その他、個人からの借金で、無利子や超低金利による金利負担の場合のときなども、その利子相当額や一般的な利子でによる負担額との差額分は、贈与とみなされることとなります、
他、生命保険等の契約で親が掛金や保険料を支払っている時で子どもが満期保険金や個人年金を受け取る時には注意が必要です。
親からの贈与とみなされてその子どもに贈与税が課されるリスクがあります。
生前贈与は、細心の注意をもって対応して欲しいなと思います。
以前お話しした相続対策と生命保険のお話の続きとして税金等に関するお話等をさせていただきます・・・
相続対策に生命保険を活用する上での税金上の特徴は何か・・・
第一に、被相続人を被保険者とした保険料を被相続人が負担した保険金を相続人が取得した場合は、生命保険金の非課税の適用があります。
生命保険金の非課税は、皆さん、ご承知の通りの、500万円×法定相続人の数(相続の放棄があった場合には放棄がなかったものとした場合における相続人の数)を限度(非課税限度額)として、相続税の課税価格に算入しなくてよしとされる規定です。
例えば、相続人が妻と子供3人の時は、500万円×4=2000万円が非課税限度額となります。
相続人の取得した生命保険金の合計額が、2000万円以下であれば、それぞれの相続人の取得した生命保険金等の全てが、当然に非課税となります。
相続人の取得した生命保険等の合計額が、2000万円を超える場合には、2000万円をそれぞれの相続人の取得した生命保険金の金額で按分計算して、それぞれの相続人ごとの非課税金額を計算することとなります。
この非課税の規定は、金融商品のなかでは、唯一、生命保険のみに適用されるものです。(他には退職手当金がありますが・・・)
現金預金のまま、相続を迎えるよりは、生命保険金として遺してあげたほうが、相続税がかかってくる人にとっては節税効果は高いものとなってきます。
例えば、相続税率20%の方であれば、上記の2000万円の非課税があるのとないのとでは、2000万円×20%=400万円の差となって現れてきます。
これが、相続税率30%の方であれば、2000万円×30%=600万円の差となって表れてきます。
相続税率20%とは課税価格が3000万円超~5000万円以下、相続税率30%とは課税価格が5000万円超1億円以下となります。
来年から、相続税の基礎控除額が3000万円+600万円×法定相続人の数に改正されますので、上記の家族構成の場合は3000万円+600万円×4人=5400万円が、相続税の基礎控除額となってきます。
そうなってくると、相続税率20%の対象は基礎控除額減額前で8400万円超~1億400万円以下、相続税率30%の対象は基礎控除額減額前で1億400万円超~1億5400万円以下の財産を所有している方となってきます。
この金額には被相続人が被保険者の被相続人が保険料を支払った生命保険金も含まれることとなってきます。
民法上の相続財産ではないのですが、税法上は税金の取り逃しがないように、みなし相続財産として課税されます。
ただし、生命保険という遺された家族の方にとっては、大事な大事な生活資金となっていくものですから、上記のような非課税規定が設けられているわけです。
ここで、大事なのは、自分の相続税の課税価格が幾らくらいになりそうかの検討をつけることでしょう・・・
上記に記したように、5400万円を超えると課税、8400万円と1億400万円を超えると税率UPとなるわけです・・・
自分が、いま、どのポジションにいるのかの見当をつけてから、相続対策の生命保険の加入を考えるようにしてください。
入りすぎても、少なくても、問題があるかといえば、全てのケースで問題とはいえませんが、もっと考えてから保険に入っておけば良かったと思うことになりかねません・・・
そして、生命保険金の非課税が有効であるということになれば、生命保険の加入をお勧めします・・・
高齢(例えば80歳以上)かつ糖尿病で入れる保険がないと思っていた方も、90歳まで無告知(入院していなければOK)で入れる終身保険も販売されています。(昨今のマイナス金利の影響で売り止めが続いているようですが・・・)
ここで、一つ、上記の課税価格の検証ですが、重要な検証ポイントは土地の評価です・・・特に小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例の特定居住用宅地等の適用の可否の判定です。
特定居住用宅地等としての小規模宅地等の特例が、今の状態で、問題なく使えるのか否か、今の状態で適合しないのであれば、どのようにすれば適用となるのか・・・を確認してください・・・
ポイントはその住宅を引き継ぐ子供の同居、非同居をめぐっての要件がポイントとなってきます。
また、生命保険の非課税限度額を超える生命保険に加入済みのかたの相続対策として、たとえば納税資金を準備したい・・・といったような場合・・・
もちろん、非課税の範囲内で納税資金の準備が賄えるのであればそれでいいのですが、さらに上乗せして、納税資金や分割対策として生命保険に加入したいといった場合は、生命保険以外の方法との比較検討はしたほうがいいかもしれません。
生命保険の非課税のメリットを享受できないのであれば、例えば、生前贈与で生命保険に加入していく方法にも替えて、NISAを利用して投信等で生命保険を上回る投資効果を狙っていく方法もあるでしょう・・・
生命保険のメリットは、早いうちになくなると、支払保険料を大きく上回る保険金が手に入ることにあります。
逆にいうと、長生きすると投資効果は、さほど、望めないことになってきます。
それであれば、まずは生命保険の非課税限度額まで生命保険に加入してから、それからの上積み分は、生命保険と投信等を織り交ぜての双方の強み、弱みを活かした相続対策の準備もありだと思います・・・・
また、生命保険の特徴である固有の財産としてのメリットは、家族信託等でも同様の効果を得られることは考えられます。
そして、生命保険そのもので、相続税の財産評価額を下げられる方法・・・つまり、低解約返戻金の商品を利用していく方法も考えられますが、評価額の低減ばかりに気を取られてその保険商品そのものが必要のないものであったら本末転倒となりかねませんし、やはり、怖いのは税制改正・・・
オーソドックスに生前贈与等の方法で、相続税の財産評価を下げていく方法がベターかと思われます。
いずれにしても、非課税や固有の財産ですよといった生命保険のいいところばかりで、生命保険の加入を判断せずに、自分の財産の全体を客観的に冷静に分析して、何がいくら必要かを検証して考えてから、その加入を判断してください。
自分で、冷静に客観的に判断できなそうなときは、専門家に相談してみましょう・・・
相続対策は、全ての財産を把握して相続税のシミュレーションや活用の状況等の現状分析を行って、初めて、何の対策が必要かが見えてきます。
美味しそうな話にいきなり飛びつかずに、まずは、自分の財産を振り返って見直してみましょう・・・
生前贈与を利用して相続対策を万全に準備していたと思っていたのに、相続になって申告と納税を済ませ落ち着いていたころ・・・突然に税務署の調査が入り、これは定期贈与に該当しますからと伝えられ更正処分を受けることがあります。
定期贈与・・・?、何で、税金がかかってくるのか?・・・
毎年、一定の時期に一定の金額を継続して贈与していると、『定期贈与』とみなされて贈与税を課税されることがあります。
贈与税は年間110万円以内なら非課税となることから、たとえば1000万円というまとまった金額を10年間という長い期間をかけて贈与すればいいと考える人は多く、このように、まとまったお金を数年間に分けて贈与をすると、1000万円相当を将来にわたってもらえる権利の贈与があったとみなされてしまうことがあります。
このようにみなされてしまう贈与が、『定期贈与』と呼称されています。
このようにみなされてしまいますと、
、上記の例でいえば、1000万円を10年分割で贈与したものと認定されて1000万円相当に贈与税が課されてしまう場合があります。
すなわち、複数年にわたって贈与をおこなう際に、最初にいくら贈与するという合計額で約束することは定期贈与とみなされてしまうことになりかねないということです。
例えば、10年払込みの終身保険の保険料を、毎年、親から一定の時期に一定の金額を贈与で貰って支払うような行為は充分な注意が必要です。
10年分の保険料が贈与税の対象ということになりかねません。
やはり、1年毎に贈与者と受贈者の合意のもとに、念のために贈与契約書を交わしておくことが無難でしょう。
さらに、110万円を超える贈与をして、毎年、贈与税の申告をしておくという方法もあるでしょう。
暦年贈与は毎年の贈与毎に110万円は非課税と相続税法に定められているので、この定期贈与という課税者側の解釈は個人的には、やや強引な印象は歪められないのですが、そのように認定されてしまうリスクがあるのであれば、そのようなリスクは回避できる贈与をしておくべきでしょう。
毎年の贈与する日を変えておくとか、金額を変えてておくとかの配慮があってもいいかもしれません。
最後に定期贈与と認定されないポイントを整理してみます。
①毎年の贈与するごとに贈与契約書を交わす。
②贈与の金額と時期を毎年変える。
③贈与は銀行振り込みとし、贈与の履歴を残しておく。
④贈与でもらったお金はもらった人が管理し使用する。
⑤年間で110万円を超える贈与のときは、その都度、贈与税の申告と納税をしておくこと。
ちょっとしたことを知っているか知らないかで、相続税の申告のときに思わぬ結果となってしまうことがあります。
いま、あちこちで、相続対策のセミナーや相続対策用の商品の売り込み攻勢が始まっています。
相続対策で生前贈与等を利用するとき、特に権利の移転が生じるような対策を行うときには、くれぐれも慎重に注意して行ってください。
平成27年税制大綱のなかに空き家に関する改正が盛り込まれていました。
それは、固定資産税の改正です。
従来は、空き家であろうとも家が建っている宅地の固定資産税は6分の1等の軽減措置を受けることができるようになっていました。
それが、今年の改正で一定の要件を満たす特定の空き家となっている宅地については、固定資産税の軽減措置はうけられないこととなりました。
これは、増え続ける空き家を抑制するための空き家対策といえる改正でしょう。
空き家となっている老朽化した貸家があるもののあまりにも老朽化しているため新たに借り手が見つからないといった場合、とりあえずは固定資産税があがることを避けるために貸家を空き家のまま放置しておくという話はよく耳にします。
火災に見舞われるというリスクはあるものの、固定資産税の増額を考えるとそのままにしておこうという気持ちもよく理解できます。
そのようなケース以外の場合でも、親の相続後、住まなくなった親の家を固定資産税もあがってしまうからといって、其のままにしておいている等々・・・
また、親の相続で遺産分割の話がまとまらずに、そのままに放置されているケースもあるでしょう。
とにかく、この空き家は、年々、増え続け大きな社会問題となってきています。
日本の人口は減少し続けているわけですから、何も対策を講じなければ空き家は、年々、増え続けていくだけでしょう。
そういった意味では、この改正によって固定資産税の負担が増えてくれば、空き家を解体して更地を売却してしまおうとか、思い切ったリノベーションをして老朽化した空き家を再生して再利用しようといった流れが産まれてくるかも知れません。
何かいい手もなく何気に空き家になっている状態でいるところに背中をおしてくれる、そんな効果が見込めるのではないでしょうか?
この空き家問題に直面している方に、その方達にとっての一番の希望に沿う解決策は何か、そんな相談業務にもこれからは積極的にのっていきたいなと思っています。
とりあえずは、駐車場にして細々でもキャッシュバリューをあげていこうとか、空き家を売却してワンルームマンションに組み換えしてキャッシュバリューをあげていこうとか・・・
固定資産税の軽減効果が期待できなくなったこれからは、空き家にしておくメリットは、何もないでしょう・・・
何かしらの対策は施していきたいところです。
まずは、残していくべきものか、処分していいものか、の考えを整理してみたらいかがでしょうか・・・
相続・事業承継の対策を考えることの難しさとは何でしょうか・・・?
相続・事業承継を考えた場合、まず、第一に、誰に何を引き継がせるかを決めなければなりません・・・
会社の経営権を誰に引き継がせるか・・・
これが、兄弟がその会社に役員として在籍していた場合、どちらの子供に代表権を譲るか・・・
さらには、後々のことまで考えて、会社の株を誰に対してどのように分割していくか・・・も考えなければなりません。
社長である父親や母親が存命中のときは、まだ、兄弟間の代表権等の争いは何とか抑えは効くかもしれません。
両親がいなくなった時点で、代表権がはっきりと明確化されていないときは、もめてしまう要因となってくるでしょう。
後継者選びが、事業承継の最初にクリアすべき関門でしょう。
そして後継者が決まった・・・
あとは、いかに後継者に引き継いでいくかです・・・
これが、また、一筋縄ではいかないこともでてきます・・・
経験を積んでいくこと、取引先や金融機関との人間関係や信用の構築・・・等々
後継者への事業引継ぎ・・・これが、第一の基本となってくるでしょう・・・
なお、万が一の社長の死亡に備えた生命保険、とりあえず事業が軌道に乗るまでの機関の運転資金や社員の給与等に見合う保証は用意しておきたいところです。
そして相続を考える・・・
第一に来るのは、遺産分割です・・・
例えば、会社の経営権は長男・・・
その他に子供が3人いる・・・
長男以外の子供に何を遺してあげるか・・・を考えておく必要があります。
父親の財産のほとんどが会社の株式で占めているような場合・・・その分割をどのうようにして行っていくのか・・・
ある程度の財産は、長男以外の子供にも遺してあげたい・・・
このような思いのもと・・・どうしようか・・・悩みが生じてきます。
この悩みの解決には、とにもかくにも、会社の価値を推し量る必要がありあます・・・
今の自分の会社の価値・・・いくら・・・?
たとえば、M&Aでいくらで買ってくれるのか・・・
特別な営業ノウハウをもっている・・・特殊な技術を持っている・・・
企業価値を、推し量るのは、相応に、無ずかしいものです・・・
売るわけではないのですが、自分の会社の価値を知っておくことも重要でしょう・・・
そして、税金・・・相続税の評価額はどの程度であろうか・・・
このように、売るとしたらいくら・・・相続が発生した時の評価額はいくら・・・等の会社の価値を精査してみることが重要でしょう。
そのうえで、会社の株式を始めとした個人の財産の全体の棚卸と分析を行います。
そして、子供間の遺産分割を考えて、それなりに公平間のある遺産分割案を考えていく・・・
円滑にことが進むように、きちんとした遺言書も遺しておくことが賢明でしょう。
続いて、相続税・・・そもそも・・・税金がかかるほどなのか・・・
税金がかかってくるとしたら、いくらくらいか・・・その納税はどうやって対処するか・・・等も考えていく必要があります。
ここでも、万が一のための納税資金用の生命保険等の加入は有効かもしれません・・・
この税金・・・少しは下げられる余地はないのか・・・
そして、節税の方法を模索していく・・・
事業承継の場合、相続税、贈与税とも株式の納税猶予の制度がありますので、適用要件をよく確認したうえで検討してみることをお勧めします。
この節税でいえば、会社経営の場合は、相続税というよりは、当面の法人税に目が向いていきます。
損金計上できる生命保険に加入して、満期や解約返戻金を取得する段階で、退職金として損金計上する・・・
といった、生命保険活用の提案が大きく支持されてきた時代がありました。
度重なる税制の改正で、掛け捨て以外の保険料は、その半額か一定の金額までしか損金が認められないこととなって、節税を第一に生命保険というわけにもいかなくなってきました。
会社経営の場合は節税も重要ですが、とにかく、経営の安定化、黒字体質をしっかりと築き上げることが、まずは先決問題でしょう。
そして、資金等に余裕ができてきたら、先ほどのような生命保険をつかった退職金の準備等も考えてみるといいと思います。
ただし、法人税だけを考えての対策はNGです・・・
退職金をもらったあとの相続税や所得税をも考えておきたいところです・・・
老後資金として退職金をもらったものの、相当数を残したまま相続をむかえてしまった。
この退職金が現預金として遺されていた場合、その丸々が相続税の課税対象です。
生命保険金の非課税枠に余裕があるようでしたら万が一のために、告知不要の一時払いの終身保険に加入しておくのもいいかもしれません。
必要な時には解約返戻金を受け取ることもできます。
このように、法人税や所得税でメリットを享受しても、最後に相続税が口を開けて待っているかもしれません。
これが、会社の株のほかにも、個人で賃貸マンションやアパート、貸店舗、などを所有している場合は、もっと複雑にからみあってきます。
このあたりが、難しいところです・・・
あちらをたてれば、こちらがたたず・・・
あらゆる関連する税法やその他の法令も含めて、さらには会社の経営計画などもふまえた・・・全体的な視野で相続・事業承継の対策は考えていくべきでしょう。
日本の空家の数が増え続けているようです。
こんな記事を見かけるようになってきました。
そんな記事を読んでいると何か深刻な気持ちになってきます。
すべての住宅に占める空家の割合は・・・
なんと・・・過去最高の13,5%に達したようです。
7~8軒に1軒は空家ということになってきます。
さらに、15年後には空家の率は25%に達するであろうといわれているようです。
もちろん、地域間格差はありますので、全ての地域で25%ということではないと思いますが・・・
この原因の一つの要因は、日本での中古市場の人気のなさがあるのかもしれません。
中古よりも新築・・・
という方向に向かってしまっていたようです。
最近は、住宅の質そのものが上がってきていますので、気に入った中古住宅があればきれいにリフォームをして住まわれる方も増えているようです。
そういう私も、実は中古住宅を購入して住んでいます。
某大手ハウスメーカの建てた築10年強の家と完全な真南道路、最寄りの駅まで徒歩18分、近くには大型店舗、小学校、中学校、といった条件の物件が出てきましたので購入しました。
ほとんどは、土地の条件で決めました。
建物は、大手ハウスメーカーの木質ユニット工法の家ですが、バブル末期に建てられた家ですからはっきりいって、出来はいまひとつかもしれません。
ユニット工法ですから、そのほとんどは工場生産ですが、現地での最後の細かい工事がいま一つの様な気がします。
バブル時代は、職人さんを取り合うようにして建てていましたので、あまり、出来のいい家は少ないかもしれません。
それでも、大手ハウスメーカーの家ですから、しっかりはしています。
出来の悪いと言ったのは、細かいおさまりや、最後の仕上げの部分で、そう感じているだけかもしれません。
元2☓4住宅の営業マンですので、そう思えてしまうことは多々・・・でてきます。
話は、それてしまいましたが・・・
バブル以降に建てらた住宅であれば、それなりに安心できる住宅は多いとは思いますが、やはり、建設会社次第で、出来の良くない住宅も当然にあるでしょう。
中古住宅の善し悪しが売買の時の重要事項説明で表示しきれないところに中古住宅を安心して購入できない一因となっているような気がします。
旭化成のへーベルハウスは、さすがにロングライフ住宅をうたっているだけに、ストックへーベルハウスといった古くなったへーベルハウスの品質を表示するシステムを、かなり前から取られていました。
競合他社に在籍はしていましたが、そのシステムは素晴らしものと感じていました。
中古で売却せざるを得なかったときに、安心して購入していただけるシステムをいち早く取り入れていました。
いま、日本の中古市場でも、そんな中古住宅を安心して購入できるように何かしらの中古住宅の品質を表示するルール作りも考えられているようです。
これからの不動産業者さんは、きちんと、その不動産の善し悪しを明確にして取引するのが求められてくるでしょう。
昔の不動産屋というイメージである・・何か騙されるのとか何か隠しているのではといったものが払拭されていくべきでしょう。
不動産の資格は、宅地建物取引主任者から宅地建物取引士に、名称変更となります。
者から士へ・・・
不動産といった大きな財産価値を持つ商品を取り扱う資格ですから士といったような構えも当然かもしれません。
弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、土地家屋調査士、行政書士、等々・・・
士という名がつく国家資格は、大きな信用と信頼がおかれています。
宅地建物取引主任者から宅地建物取引士へ・・・
これからは、きちんとした調査と説明と提案が求められてくることでしょう・・・
先日、某生命保険会社の法人のための生命保険についての講習会に参加してきました。
2日間におよんで、法人に適した生命保険の商品や考え方についてのお話を聞いてきました。
法人の生命保険とはいうと・・・
少し前までは、保険料の全てを損金計上し法人税を圧縮し、契約を途中解約し会社に入金された解約返戻金で社長に生前退職金を支給するといったスキームが主流でした。
解約返戻金が付く商品でも保険料の全額が損金扱いできるというところがポイントでした。
今は、解約返戻金が付く商品は、保険料の半分等の一部分が損金算入され、残りの保険料は保険積立金として資産計上されることとなります。
保険積立金が多いほど、保険金が支払われた時の法人の益金は少ないこととなってきますので、毎年、少しずつの節税を図るのか、保険金が支払われた段階での税金を少なくするのか、要は・・・課税を繰り延べするのか否かということになってきます。
毎年、損金に算入していくと、当然、保険金が支払われた時に多くの益金が計上されますが、その益金に退職金という損金を充てることによって生命保険金による納税のキャッシュアウトを防いできました。
保険料を少しでも多く損金計上できるように逆ハーフタックスと呼ばれる契約の加入も数多く利用されてきました。
税務上は、多分にグレー・・・グレーというよりは生命保険の節税出来る特典は税法の改正でいとも簡単に吹き飛んでしまいます。
課税庁側は金融商品のなかでは生命保険が特別に節税効果が高いので、見直していきたい意向は持っているようです。
常に、税制の改正には注目しておきたいところです。
こうやって考えてくると、法人の生命保険の利用価値はと・・・思ってしまいますが・・・
やはり事業リスクをヘッジするうえでの生命保険の活用は不可欠でしょう・・・
万が一の社長の死亡時の手当・・・
後継者への引き継ぎの状況にもよるでしょうが・・・
銀行や取引先の信用不安感からくる取引停滞に備えた運転資金の準備は万全に備えたいものです。
借入金残債、運転資金に社員の給与、等々・・・はトップ経営者の万が一に備えて、生命保険で準備しておきたいところでしょう・・・
何とか新しい経営者が経営を波に乗せるまでの時間を稼げるようにしたいものです・・・
この保障を定期にするか終身にするかは、損金処理によるメリットやデメリット、保険料金額や解約返戻金のバランスを見て検討していきたいところです。
キャッシュフローで、保険料をどうやって払い続けていくか・・・財務バランスの重点的な検証はとても大事です。
そして、退職金や相続・事業承継での生命保険の利用・・・
退職金に関しては、老後の生活資金や夢の実現、そして『事業承継』などからも必要といわれています。
この退職金は上段でお話したように、生命保険金を一時金(解約返戻金や死亡保険金)で法人が受けとったときに損金計上できます(退職金規定の範囲は損金)ので、法人の納税を回避することもできます・・・
よくよく、考えてみると、オーナー企業の場合、オーナーにとっては、その財布は個人も会社も大きく考えれば一つのものでしょう・・・
会社が業績不振に陥れば、オーナーは保証しなければなりません・・・
会社の借金は・・・オーナーの借金です・・・
このように考えると・・・役員報酬や退職金は、オーナーの大きな財布のなかで法人の財布から個人の財布へ移し替えるだけのものかもしれません・・・
この小さな財布を行ったりきたりさせることで、節税の恩恵を受けているということでしょう・・・
こうやって、考えてくると退職金は・・・会社の状況のみならず、個人のライフプラン、すなわち老後の生活や家族の生活、そして相続のことまでをも考えて判断した方がいいかも知れません。
老後の生活費に関していえば、オーナーの社長が設立時から個人の財布から会社に拠出してきた貸付金が残っているかもしれません・・・
オーナー社長引退後の老後の生活資金は、その貸付金を毎年、毎年、利息を付けて返済していくことで賄えるかもしれません。
もっとも、会社のキャッシュフローが潤沢である場合ですが・・・
いずれにしても、会社への貸付金はいずれかのタイミングで消しておきたいところです。
会社への貸付金をそのままで、いざ、万が一が起きた場合、そのすべては原則は相続税の対象となってしまいます。
大きな財布のなかで、小さく分けた財布のいったりきたりの結果、相続税が課税される・・・
担税力なんてあるわけがありません・・・そもそも、一つの大きな財布のものです・・・注意しておきたいところです。
同様に、やみくもに生前退職金として会社で生命保険を中途解約した解約返戻金で支給した場合、それはそれで、その時点では会社は退職金で損金計上、個人は退職所得として退職控除や2分の一の評価を享受できることとなります。
ただ、その退職金も、相続時点で現金で残っていれば、相続税の対象です・・・
法人税や所得税はメリットがありますよ・・・と考えていたら・・・最後に相続税が待っているという・・・日本の税制の巧みさがうかがえます・・・
このように考えていくと、社長の引退後の生活費や夢の実現、社長の相続税のシミュレーションで相続税がいくらかかってくるのか、会社を引き継ぐ子供には会社の株式を集中させて相続させるとしてそしてその他の子供には何を相続させるのか、その遺産分割の考え方で遺留分の問題はないか、相続税はどうやって納税するか、非上場株式等の納税猶予は使うべきであるのか、さらに株価を下げるいい手はないか、等々、社長の遺産分割、納税、等を、よくよく考えた上で生命保険の加入方法も考えなければならなさそうです・・・
たとえば・・・引退後の生活等の資金が会社への貸付金で賄えるのであれば、退職金は死亡退職金として準備し退職手当金等の非課税(500万円×法定相続人の数)枠をつかって相続税の課税価格を圧縮し、その死亡退職金を相続税の納税に充てるといったような方法も考えられるでしょう。
もちろん、生前退職金として引退後の生活資金を準備し、納税や遺産分割のための生命保険を別途、加入する方法もあるでしょう・・・
また、生前退職金も気持ち良く使えててしまうかというと・・・どうでしょう・・・
オーナー企業にとって会社の財布は自分の財布・・・たとえ、子供に事業を譲ったとしてもその思いは変わらないでしょう・・・
この時代、いつ、不景気の波に襲われるかもしれません・・・個人に支給された退職金もストックする傾向が多くなるかもしれません・・・
個人でストックしたまま、突然の相続が開始するとそのストック金額が相続税の対象となってきます。
もしかしたら、会社にストックしておいた方が、税金は低く納まるかもしれない・・・
これは、自分の会社の株価の算定をしてみて、シミュレーションしてみるほか、結論の出ない話でしょう・・・
また、この株価も、毎年の業績で大きく変動することもあれば・・・ほとんど変動しないときもあります。
ここまで、思いつくままお話しましたが・・・
オーナー社長の相続のシミュレーションには株価が大きな比重を占めます・・・
個人の相続も会社の事業承継も株価が大きく影響してきます。
こうなってくると、相続・事業承継にとっても、重要なのは、当たり前の話で・・・『会社の事業計画』をきちんとした計画書として毎年、毎年、作成していくことでしょう。
前期の業績の分析、今期の目標、来期以降の長期計画、事業方針、会社の理念、等々・・・
これから、会社をどのようにしていきたいのか・・・極論、上場を目指すのか等々・・・
このように事業計画を練りながら株価の推移も考えてみるべきでしょう・・・
株価の推移を考えたら、遺産分割を遺留分も考慮しながら考えてみる(必ずしも遺留分を守らなければならないというわけではありませんが、本人がそれでいいといえばいい話です。)、相続税のシミュレーションをして納税を考える、そして節税できるものは節税を考えていく・・・とうことを行っていくべきでしょう・・・
そして、大事なのは、会社と個人の財産のデューデリジェンス(細かな調査かつ分析)を行っておくことでしょう・・・
会社でいえば、資産、負債を洗い出すことによって、特に資産のうちに劣化しているものがあれば、損金算入も可能となってきます。
不良在庫や減価償却の未償却等々・・・
このように、資産のなかから損金算入の可能性を探っておけば、例えば、オーナー社長の貸付金を消去るための債権放棄の時に劣化資産の損金を計上して法人税を圧縮するなどの対策も行えることとなります。
個人でいえば、相続時に課税対象となる相続財産を洗い出し、株価の算定や土地の評価をおこなって個人の相続税をシミュレーションしてみることが必要でしょう。
そして、何といっても、後継者を定めての事業の引き継ぎや遺産分割の方法を考えていく・・・納税の方法も考えながら・・・
このようにして、間違いのない生命保険の活用を考えていくべきと考えます・・・
また、節税に関していえば、個人と法人のお金の流れによって、法人税、所得税、相続税、贈与税が絡み合ってきます。
全ての税法に目を配りながら、考えていかなければなりませんので、事業保障を除いた生命保険の活用の答えは、とても難しい問題かもしれません・・・
いずれにしても、まずは、法人の財務状況、個人の財産の調査と分析を行ってみることでしょう・・・
最後に、個人、法人の所有している不動産の対策が、また重要なポイントなりますので財務や財産の確認には不動産のきちんとした調査・分析は不可欠なものとなってくるでしょう・・・
コラムを書こう書こうと・・何を書こうと思い悩んでいる時に、昔、相談を受けた土地活用が思い浮かびました。
旧職の財産コンサルタントのサラリーマン時代に受けた相談です。
浜松町や横浜、吉祥寺の方に、マンション、貸家、貸地、駐車場等を所有している方からの相談でした。
一部上場企業にお勤めのかたで、住居は練馬区の方にマンションを購入して住んでいました。
浜松町の不動産は、親御さんからの相続で、兄弟3人で分割して取得したものです。
そのなかで、一部は、共有所有となっていました。
浜松町のマンションが兄弟3人で共有、これは、まだ軽傷・・・
吉祥寺の方にある貸地は、祖父の代からの共有ですから、共有者の数は実に20人程度、こうなると、何ともはや、どう処分しようかという感じです・・・このまま共有者を増やし続けていくものやら・・・考えることすら疲れているような状況でした。
この時の、ご相談内容は、この貸地の問題ではなく、浜松町の駐車場の土地活用の相談でした。
某ハウスメーカーから、1階にコンビニ、その上の4層を賃貸マンションにする5階建ての活用です。
1階のコンビニは、建設協力金方式で確か15年の契約期間であったような記憶です。
途中退去の場合、建設協力金の残金は返金するとなっていた記憶です。
相談内容の第一は、この立地でコンビ二を経営して大丈夫か・・・
コンビニを建てて、途中退去されると、その後のテナント付けに苦心しキャッシュフローが心配・・・といったものです。
コンビニを建てても大丈夫かと・・・色々と立地のリサーチをしてみました。
結論、大丈夫でしょうと答えを出し、かつ、コンビニ会社もその場所の出店を熱望しているとのことでしたのでOKでしょうと話しました。
かなり、慎重な方で、今度は・・・本当に大丈夫かと、怒りながら詰め寄ってくる始末・・・
なんで、大丈夫なんだ・・・といわれても、立地上はOKでしょう・・・と回答。
それでも、本当に大丈夫か、万が一があったら責任はとれるのか・・・的な感じの詰め寄り方でした。
こうなってくると、本当に大丈夫とは言えなくなってきます。
本当に大丈夫かは・・・分かりませんと答えました。
その理由として、そのコンビニの店長となる方、経営される方を、私は知らないし・・・会ったこともないと・・・お話し、必ずしも立地の条件だけでコンビニは成功しているわけではないし、立地が劣る場所でも、店内はいつもきれいで店員さんの態度も申し分なく、そしてトイレがいつもきれいな、ものすごく流行っているコンビニもあれば、立地がよくても、その真逆で流行っていないコンビニもあると、なかば、怒った口調で答えました。
そして、そんなに、リスクが心配あれば、建設協力金の契約途中での退去の場合の返還義務を無くす交渉をすればいいですよとアドバイスしました。(もともと、説明する予定でしたが、売り文句に買い文句のようになってしまいました)
これには、いい話しを聴いたとばかりに、多少は態度は和らいできました・・・
けっこう、当たり前の話なのですが・・・ありがたいアドバイスになったようです。
ただ、その時の私の言葉使いが、多少は苛立っていましたので、返す刀でとばかり・・・
コンビニだけとその上に賃貸マンションがあるパターンとどっちがいいんだと・・・詰め寄ってきました。
その回答次第では、けちょんけちょんにやっつけてやろうと、思っている節が、見え隠れしています。
ここは、きちんとした、なぜ、この選択がいいのかを理路整然と説明する必要がありそうです・・・
とはいうものの・・・
私が発した第一声は、まず、自分がどうしたいのか・・・すなわち、将来、どうしたいのか、どういう生き方をしたいのかを、話してくださいと言いました。
それが、分からないと答えようがないと・・・
実は、このご夫妻には、お子様がいらっしゃらなかったのです・・・
単純に、事業収支で30年先、40年先に、いくら残りますよが重要ではなくて、どういう老後の暮らしかたをしたいのですかと、聞きました・・・
また、土地活用、土地活用、いくら残せる、といった考え方についても、具体的に誰にいくらづつ、残してあげたいのかを教えてくださいと言いました・・・
結局、本人がなくなったあと、誰に財産がいくんですか・・・甥や姪子さんですよ・・・考えたことがありますか・・・?
と聞きました。
その時、ご主人は、はっとした顔になりました・・・肝心なことを忘れていたという感じです・・・
5階建てのマンション付コンビニの方が、甥子さんや姪子さんは、とても喜ぶでしょう・・・
でも、定年後に莫大な借金を抱えて、その残債分が貯まるまでのおおよそ17年間は、空室リスク等を考えて家賃収入には手を出さない方がいいので、結局、80歳位までは倹約した老後の生活を送らざるを得ないと話しました。
それでも、残してあげたい・・・と強く思える人がいれば、それでいいですよと、結論として、子供がいればマンション付コンビニをお奨めします。
子供がいなければ、コンビニのみをお奨めしますと回答しました。
最悪、契約期間内に退去をしたとしても建設協力金の残金は払わなくて済みますから、賃料収入は使ってしまっても怖くないでしょうから、健康で丈夫な80歳前に贅沢な老後の生活がおくれますよと話しました。
いずれにしても税金もかかりますし、ご主人が亡くなったあと、奥様が不自由なく暮らせる金額をのこして、かつ、甥子さん姪子さんに遺してあげたいものは残して、それ以外は、元気なうちに海外旅行や豪華客船の船旅等で使ってしまうのも相続対策かもしれませんとお話しました。
本当は、ご主人がなくなった後の相続についてのお話・・・つまり、ご主人が亡くなったときは、遺言書が無ければその相続財産の4分の3は奥様、4分の1はご主人の身内の親族が取得、その後奥様が亡くなった場合、その相続財産は、誰のものになりますか・・・をお話したかったのですが、、奥様が常に同席されてまししたので、流石に言えませんでした・・・
もともと、ご主人の親から引き継いできた財産ですから、ご主人の身内の親族により多く引き継がせたいのであれば、遺言書を遺しましょうまでのアドバイスがしたかったのですが、なかなか、切り出すタイミングがありませんでした。
いずれにしても、最後は、すっきりした表情で帰られて、その後、ハウスメーカーと相談して建設協力金の返還義務なしでコンビニの建設をされました。
定年後は、機会があるたびに、海外旅行等を楽しまれているようです。
どうしても、当事者は、土地活用というとその活用の効率的なものばかり見てしまいがちですが、どういう目的があるのか、どうしたいのか、どう生きていきたいのか、を改めて見直してみることも重要かも知れません・・・
相続対策を考えるなかでも相続税が発生するような場合は、生前に相続税の納税方法を考えておくことは、とても重要です。
相続財産の把握をして、それぞれの財産の時価相場を把握し、かつ、相続税の計算のための財産評価額を計算してみる・・
時価相場と相続税財産評価の価額の差は、土地や建物にあらわれてきます。
土地の相続税評価額は路線価という国税局長が定める評価額(路線価評価額)か固定資産税評価額に一定の割合を乗じて算出する評価額(倍率方式)を、もって算出することとなります。
このような公的に定められた評価額は、路線価のほか、公示価格、基準地標準価格、固定資産税評価額があります。
公示価格は、国土交通省に設置された土地鑑定委員会が不動産鑑定士の鑑定評価をもとに定めるものです。
基準値標準価格は都道府県知事が不動産鑑定士の鑑定評価に基づいて定めるものです。
公示価格も基準値価格も評価額は時価相場を目安としています。
なお路線価は、公示価格の8割程度といわれています。
固定資産税評価額は、市町村長が売買事例価格等から政情売買価格をもとに適正な時価をもとめて評価額を算定するものです。
評価割合は、公示価格の7割程度といわれています。
そして、一般の方が、実際の不動産の取引相場を確認したいときには、国土交通省の不動産の取引価格情報提供制度というサイトがあります。
『取引価格』検索で、同サイトに入って行けます。
ここで、日本全国の取引事例が見れますので、参考にできる情報は得られるでしょう。
遺産分割は実際の時価相場でその不動産の価値を想定し相続分の計算をしますが、公示価格か路線価、固定資産税評価額をベースにするかは、相続人間で決めることとなります。
法的なもので、この価額と決められたものはありません。
したがいまして、相続人間のお話合いで決めればいいのです。
ここで、ありがちなことは、不動産をもらう人は不動産の評価は低く、不動産以外のものをもらう人は少しでも高い評価を望むこととなってきます。
分ける財産は、大方、決まっていても評価で揉める場合もあるでしょう・・・
やはり、安全を見れば、遺言書で指定して分割する方がよさそうです。
そして、分割や相続税の評価額が、算出されたら相続税額のシミュレーションです。
課税価格の合計額を算出し、相続人の法定相続分(相続の放棄があても放棄がなかったものとした相続分)を乗じて相続人ごとの課税価格を算出し、それぞれの課税価格に超過累進税率を乗じて相続人ごとの相続税を算出します。
その合計額が相続税の総額といわれるものです。
この相続税の総額に、各相続人が実際に取得した財産の価格で按分計算してかく相続人ごとの各相続税額が計算されることとなります。
ようは、相続税の総額は、誰がいくらもらおうか・・・その内訳は何ら変わることはありません・・・
そして、各相続人ごとの相続税が算出されたのちに、税額控除というものが減額できることとなります。
代表的なものは、配偶者の相続税額の軽減です。
相続税の総額のうち、半額か、または課税価格のうち1億6千万円の分は控除されることとなります。
他には、贈与税額控除(相続開始前3年以内の贈与財産は相続税の課税価格に加算しますが、贈与時に支払った贈与税は控除されるものです)や、未成年者控除や障害者控除といったものがあります。
その税額控除後の金額が納付財額となります。
この納付税額をどのようにして支払うかを生前に考えておいた方が宜しいわけです。
国に納税する際には、原則は金銭納付となります。
金銭で納付することができない事由があるときは、分割払いの延納が認められます。
さらに、延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があるときは、相続財産で納付できる物納が認められます。
物納は、あくまでも、延納によっても金銭で納付できない場合や、物納する財産に法令上の問題が何もないことや、隣地との境界がきちんと確定されていることなど、その要件は少しずつ厳しくなってきています。
現実的には、金銭納付か延納でしょう・・・
金銭納付であれば、申告期限までにその納付すべき税額分の現金がなければその現金を手当てしなければなりません。
どのようにして、手当てできるか・・・
毎月の家賃収入に余裕があれば、終身保険に加入しておいて、万が一のときには、保険で手当てできるという方法もいいでしょう。
終身保険の場合、長生きすれば、貯金と同じこととなります。
健康に自信のある方は、このアベノミクスにのって資産運用という選択もあるでしょう・・・
保険料や資産運用に回せる金融資産がなければ、どこかの時点で不動産の売却等で手当てすることとなるでしょう・・・
いつ、売却するか・・・譲渡所得を考えるのあれば、相続後の方が税金が安く済みます・・・
支払った相続税額分が譲渡所得の必要経費として認められるからです。
税金が高くても、いま、非常に条件のいい買手のお話が来ている時などは、慎重に検討した方がよろしいでしょう。
早目に、売却して、為替のリスクは伴いますが、3%強で運用されるドル建てのが生命保険を利用するのもいいかもしれません。
このように、不動産の売却も視野に入れざるを得ないときは、不動産の現状での分析が、とても重要となってきます。
将来の資産価値が高い不動産は、残しておくべきでしょう・・・
結果、相続対策というのは、日々、不動産を良く見ておくなど・・・普段から自分の財産に目を光らせておくことが重要でしょう・・・
当たり前のことを当たり前にやっておく・・・それが、一番重要なことと思います。
最近になって・・・家族信託という単語を見かけるようになってきました・・・
信託といえば・・・信託を引き受けできるのは・・・信託業法上は免許が必要・・・つまりは信託銀行や信託会社が手掛けるものばかりと思っていました。
しかしながら、平成19年(ずいぶん前の話で恐縮です)の信託法の改正によって、「利益を得る目的で反復継続」して信託を受託しなければ、受託者に信託業の免許は不要となったようです。
これにより可能となったのが「家族信託」ということのようです
家族信託って・・・何・・・?
具体的な例としては、父親所有の家を、長男に信託し、長男は父親の自宅を管理する・・・
そして父親をその自宅に住み続ける・・・
これが、信託を活用した新しい相続の対策方法として注目しはじめらえているようです・・・
ここで、信託の仕組みを確認してみると・・・・
信託とは・・・信託した財産の所有者は受託者のものとなります。いわゆる・・・所有権が移転されることとなります・・
ただし、信託財産にかかる経済的な価値は受益者のものということになります。
税務上も、原則としては受託者でなくて、受益者が信託財産という権利というか価値を有しているとみなされるそうです・・・
結果、「相続税」や「贈与税」は、原則としては・・・受益者のその利益を受ける権利というか価値の移転が有った場合に課せられることとなるようです・・・
そんな信託を利用して、どんな相続対策が可能なのでしょか・・・
一つには、高齢になった親の財産管理が容易に行えるということでしょうか・・・
例えば、父親が元気な間に、財産の名義を長男に移しておきたいという場合で、その財産を親自身が自分のために使って欲しいといったような時は・・・父親が委託者・受益者、長男が受託者、といった家族信託をりようすれば・・・
老後の資産管理は・・・安心して長男に任せられることとなります・・・
これによるメリットは何でしょうか・・・?
①.万が一父親の意思能力が衰えてしまった場合、財産管理に必要な手続等について、その都度、その都度・・・成年後見人の同意を取る必要は無く、信託の定めに従って、財産管理が継続されることとなるそうです・・・
②.贈与税がかからずに、長男に財産管理の権利を移転することができることとなります・・・
③その時、その時の事情に合わせた契約のメンテナンスが可能なこととなってきます・・・
④.高齢化した親が詐欺の被害者にてっしまうというリスクヘッジができることとなります・・・
⑤.信託契約の締結と同時に効力が発生しますから、財産管理を始めるまでの空白期間は極めて少なく済みますので、迅速な対応が可能なこととなるようです・・・
二つ目は、遺言の代わりとして使える効力を併せもっていることでしょうか・・・
遺言書を遺す場合・・・
遺言書作成の厳格な方式に従う必要があります・・・このことが遺言書作成の面倒くささにつながってします・・・
かえって、信託であれば・・・委託者と受託者との契約で行うこととなりますので厳格な方式に従うわけではありません・・・
そして、信託契約にに信託財産の帰属を定めることによって、遺言と同じ効果を発揮させることができることとなります・・・
また、信託契約は、契約の締結と同時に効力を発揮させることができるkととなります・・・
遺言は、死後の財産の帰属についてしか定められないこととなりますから、信託契約は、より広範に利用することができることとなってきます・・・
また、遺言はいつでも取り消すことが可能といえば可能となります・・・
信託契約は契約の性質上、解除等の理由が必要となります・・・よって、一部の相続人による遺言内容の操作等は出来ないこととなってきます・・・
三つ目は、相続における財産承継の順番づけが可能になるということでしょうか・・・
一般的な相続対策の場合、生前贈与や遺言を利用してある程度の承継者の指定は出来ます。
ただし、贈与や遺贈した財産の次の承継者を指定することはできないこととなります。
ただし、家族信託を利用すると・・・事実上においての相続の順番を決めることができることとなってきます・・・
例えば、「長男」が亡くなった後の受益者を「次男」にするということができることとなります・・・
この特性は・・・事業承継の対策にとっても・・・とても有効な方策となるでしょう・・・
ここまで・・・家族信託の特徴というか・・・特性について・・・述べさせていただきました・・・
個人的には・・・詳細の疑義となる点があり・・・これから勉強してその疑義なる点を確認して安全な提案が出来るようになりたいと思っています・・・
この疑義なる点は・・・まずは・・・税務上のことでしょうか・・・
信託は・・・みなし遺贈・贈与として・・・相続税や贈与税が課税されるようですが・・・
受益の権利の移転の時期等での・・・相続税と贈与税の明確な区分けの要件をはっきりさせる・・・
みなし遺贈でも、小規模宅地等の特例や広大地の特例の適用は可能であるのか・・・
家族信託・・・これから・・・研究していこうと思っています・・・
先日、生命保険会社の代理店向けのセミナーに参加してきました・・・
セミナーの内容は、医療保険と相続に関わる生命保険の効用と効果という内容についてでした・・・
タイトルは相続対策ですが・・・医療保険の内容についてお話させていただきますと・・・
生命保険会社のセミナーでありながら・・・
いきなりの医療保険不要論の話から入って行きました・・・
医療保険は、必要ですか・・・
講師の先生が、代理店の参加者に問いかけてきます・・・
当然・・・必要です・・・との答えが当然のように還ってきます。
さらに、医療保険の保険料の掛け金を回収するのに何日の入院が必要ですか・・・との問いかけがありました。
まちまちの答えの中・・・
先生からの回答は、一番保険料の安い会社の120日タイプで約300日であり、高い会社で約400日くらいであるとのことでした・・・
今は、長期の入院は少なくなってきています・・・
そんな状況で、保険料は回収できますか・・・?
結果、不要であろうとの話でしたが・・・
先進医療の保険には入っておいたほうがいい・・・と先進医療のお話に移っていきました・・・
確かに、先進医療は保険対象外ですから、高額療養費制度云々も関係ありません・・・
先進医療だけは、保険商品でしか補てんできません・・・
この先進医療に入るためには、医療保険等に加入する必要があります・・・
一番安い保険料の商品に加入して先進医療は、入っておきましょうとのことでした。
先進医療の保険料そのものは、月100円にも満たない程度ですから、最低の医療保険等の保険料でカバーしましょうとのことでした。
こういったケースは、よく、耳にするところですので、当然、そのような契約もよくされているところです。
ここからが、このセミナーの目的とする内容となってきました・・・
このセミナーを企画した保険会社の先進医療には、交通費も対象となっているということでした・・・
契約の更新がなく、先進医療の交通費が対象となっているのはこの会社だけしかないと大きなアピ-ルをしていました。
先進医療は、その医療の内容によっては、日本に数ヶ所しかない場合があります。
例えば、沖縄の人が北海道に行って先進医療の治療をうけるといったこともあり得るでしょう・・・
このようなケースとなった場合、交通費の支給はとてもありがたいものとなってきます。
それも、何回かに期間を開けて、治療をする先進医療もあると聞きました。
それこそ、沖縄から北海道まで、何度も治療のために通うとなると、金銭的には辛いものとなってきます。
さらに、この交通費には宿泊費1万円もついてくるそうです・・・
先進医療といっても、その治療の内容はさまざまです・・・
大きな難病から・・・白内障の手術でまで・・・
その範囲は、契約前に必ず確認してみてください・・・
そして、自分の住まいの近くで受けられる先進医療は何があるのか・・・
場合によっては、交通費の費用負担が・・・大きな出費となってしまう可能性があるやもしれません。
先進医療もきちんと調べておくことが、無駄の少ない老後の生活のために必要なポイントなるやもしれません。
相続は相続が発生したあとのもろもろのやらなければならない手続関係が多岐に渡ります。
役所への届出や銀行や保険会社への申請等々、やるべきことは山のようにあります。
相続の前にやるべこことは頭にいれておくと・・・いざという時に慌てふためくことなく対処ができるでしょう。
できることであればエンディングノート等に纏めておきたいところです・・・
役所等への届出は、事前に何が必要か調べておけば、あとは粛々と手続を進めればいいわけですが、相続にとって一番重要かつ大変なのは遺産分割です。
民法で定められた相続人間で相続財産の分割を協議して分割する手続です。
遺産分割は、亡くなられた方が、遺言書を遺したか否かでその手順は多いに変わってくることとなります。
遺言書を遺されていた場合、その遺言が自筆証書遺言であれば、家庭裁判所に検認を依頼しにいくこととなります。
検認は家庭裁判所で相続人立会のもと遺言書を確認し家庭裁判所でそのコピーをとり保管しておく手続です。
目的は、遺言書ぼ書換や消失等の防止の様です。
家庭裁判所に控えが残っていれば、不正な行為が出来なくなるからです。
そして、その遺言書が公正証書遺言であれば、家庭裁判所の検認は必要ありません。
公証人役場に、遺言書の控えが保管されていることから、検認の必要性はないからです。
そして、遺言書に遺言執行者が定められていれば、遺言執行者がその遺言通りに分割手続きを進めればいいこととなります。
もっとも、遺贈の放棄(遺言書で相続財産をもらえる人がいらないと放棄する手続き)をすることもありますので、その場合は遺産分割の協議となってきます。
また、遺言書を遺しておいたとしても、その分割内容が一部の相続人にとって遺留分(法定相続分の2分の1)を侵害している場合で、その遺留分を侵害された相続人が遺留分の減殺請求(遺留分に満たない不足分を請求すること)をされた場合は、代償分割等でその不足分を補う必要があります。
相続人の地位を有しない老後の世話をしてくれた長男の嫁に特別に財産をのこしてあげたいといった場合、遺言書でその手続は可能ですが、もっとも手間のかからないのは自分を被保険者、嫁を保険受取人とした生命保険に加入しておく方法があります。
生命保険は保険受取人の固有の財産ですから、遺産分割の協議の必要もなく受け取ることができます。
要は、遺産分割の対象となる財産に含まれないといった特性があります。
生命保険は、遺産分割にとって有効な方法となりうるものですので、よく利用されています。
遺言署の記載のしかたも注意が必要です。
公正証書遺言であれば、プロの公証人役場が、ヒヤリングをしながら作成してくれますので、内容が無効となるようなことはありません。
しかし、自筆証書遺言の場合は、土地の表記の仕方(住所は不可、あくまで登記上の地番)や、日付の書き方等、せっかく遺した遺言書が法的に無効となってしまうこともよく耳にする話です。
もっとも、たとえ法的に無効な遺言書であってもその本人の意思は確認できますので、その後の遺産分割の協議はやりやすいものとなるでしょうから、全くの無駄ということは無いと思います。
また、遺言書を作成する場合には、相続人をきちんと確認しておきたいところです。
再婚していた場合、生き別れとなった前妻の子はいるか、前妻の子は立派な相続人です。
または、未婚のままの子供がいるか・・・いわゆる婚外子といわれている子供です。
昨年の裁判で婚外子の法定相続分が他の子供の2分の1となるのは違法であるとの判決がでました。
これからは、婚外子のかたも同党の権利をもった相続人となってきます。
このような相続人の確定は戸籍で確認して立証することとなります。
相続が発生するとこの戸籍を複数部、取得する必要があります。
この戸籍の取得がまた、面倒な手続となってきます。
相続人の他には相続財産もれなく把握する必要があります。
このように、遺言署や相続人の確定だけでも、注意しなければならないことは、山ほどありますし、そもそも基本的な知識が身についていないと、何の作業も進みません。
相続対策は、事前に手続関連を調べておくことは、もちろん、相続に関連する法務や税務、不動産等の知識の拾得はかかせません。
相続対策に重要なことは・・・相続関連にする基本的なことを知ることです・・・
まずは、相続に関連する会計事務所や生保・証券会社等の無料セミナーを聴きに行って、言葉から馴染んでいってはどうでしょうか?
きっと、役立っていくことと思います。
そろそろ、冬の訪れを感じる季節となってきました・・・
最近の社会保障制度の行く末は不安を感じるばかりです。
年金改革も今後はどのような展開を見せてくるのでしょうか・・・
そのような背景の中、もはや、自分の老後の資金は自分自身で増やしていくほうが賢明なような気もしてきます。
太陽光発電の買取価格制度しかり、国の制度はどこまで信用していいものなのか、どうなのか・・・
ただ、ここで、気をつけましょう。
やみくもに、投資熱に便乗して投資を始めるのはご法度です。
投資をする上での目的や目標を明確にしてから計画的に進めていくようにしてみましょう。
目的や目標とは何か・・・
まずは、今後の生活を想像してみましょう。
月々、いくらくらい生活費が必要ですか・・・
子供の住宅取得に援助はしますか・・・
孫の教育資金の援助はしますか・・・
そして、お金の支出の計画を練ってみましょう。
そのお金の支出の計画が練れたら、手持ちのお金を、次の4種類に仕分けしてみましょう。
①生活資金、このお金は日常の生活費などに使うお金です。
②使用予定資金、子供の結婚費用や、住宅資金援助や孫の教育資金援助などの今後10年以内に使う予定があるお金です。
③余裕資金、10年以内に使う予定のないお金です。
④緊急資金、急な出費に備えたお金です。(生活資金の3カ月から1年程度分です。)
このように、手持ちの資金の使い道を明確にしてみましょう。
このように分類してみると、投資に回せるのは③の余裕資金であることが分かってきます。
それ以外の資金は、すぐ使えるように流動性の高い預け先に預けておくしかありません。
この仕分けには、きちんとしたライフプランのキャッシュフロー表を作成しながら進めていくころがお薦めです。
あくまで、将来の予定としてのキャッシュフロー表にしかなりませんが、ある程度は将来の生活設計の指針とはなりうるものです。
そして、投資に回せる余裕資金の目途がたったら、次に、具体的に何に投資をしていくかを考えなければなりません。
つい先日、公的年金の投資先にETFやJリートが組み込まれるという報道がありました。
債券以外のリスクはあるもののリターンが期待できるものを組み込んでいくようです。
ここで、どの程度のリターンを期待するのかその目標を設定します。
年3%なのか、5%なのか、・・・
現在の普通預金の金利を考えると3%がいかに高い目標なのかという気もしてきます。
そして、希望するリターンの期待値を実現すべき商品を探していくということになってきます。
,債券、投資信託、株、不動産・・・等々・・・
時には、欲をだして、最初に想定していた投資用資金以外の資金まで、その投資につぎ込みたくなる衝動に駆られるかもしれません。
この場合には、リスクの許容を計ってみて、どこまでのリスクならセーフであるかを見極めていくしかないでしょう・・・
資産防衛という観点からいくと、最低限の使い道のお金はリスクのないものでキープしておき、あくまで余裕資金の範疇で計画的に運用していくのが無難なのかなと感じます。
そのためには、是非、ライフプランといわれている将来の生活の設計書を、まずは、作成してみてください。
相続税は、他の国税と何が違うでしょうか・・・
所得税は、一年間のうちに個人が取得した収入から経費を差し引いた所得金額に対して課税されるものです。
法人税は、法人という人格が、一事業年度ごとにあげた益金(収入)から損金(費用)を差し引いた所得に対して課税されるものです。
所得税も法人税も、一年間の労働の対価としての所得に対して課税されますので、その担税能力には問題はなさそうです。
所得がなければ課税されないこととなるからです。
消費税は、課税の対象となる商品を購入するたびに課税されるものです。
低所得者も高所得者も一律の税率で課税されます。
これは、個人で考えた場合、所得税や相続税が超過累進税率で課税されることを考えると、これが真の公平であるのか、でないのか・・・これは、公平でないとする考えが軽減税率導入の根本的な考え方なのかもしれません。
相続税は、ある人が亡くなった時の財産を承継した人に課税されるもの・・・
この場合、その課税がされるか否かは、ある一定の金額以上の財産を遺した場合となります。
昨年。そのある一定の金額のハードルが低められました。
これは、財産に対して直接課税される税金ですから、このハードルが低くなれば低くなるほど、個人の所有している財産の承継できる金額は、減ってくることとなってきます。
何か、日本は社会主義国家と思えてくるような税金のシステムです。
一生懸命、寝ずに働いて一杯儲けて国に多額の所得税を払い、最後に相続税を支払う・・・
もっとも、一生懸命働いてという側面からみると・・・
農地の納税猶予、非上場株式等の納税猶予、山林の納税猶予、等々、事業承継のための税金を回避できる規定は用意されています。
ただ、貸家オーナー等の準事業と呼ばれる収益構造に対しては、そのような制度は存在しません。
つまりは、自分で汗をかかないで残した財産を、同じく汗をかかないで取得した・・・場合、
その財産が増えたという事実に課税することとなるわけです。
この考えは、所得税でも同様です。
一生懸命働いて財産(資本)が増えた・・その増えた財産(当期の利益)に対して課税するわけです・・・
このように、相続という財産の承継によって・・・財産が増えたことに課税するというわけです。
相続税は、いつ、創設されたか・・・
相続税は、日露戦争の戦費を用意立てるために施行されたといいます。
社会主義的発想というよりも、富国強兵の一環だったのでしょう・・・
太平洋戦争後は、何か社会主義的な税金・・・富裕層の財産に課税して、世の中に分配する・・・となったような気がします。
時には、担税力に苦心し、相続税を支払うために、昔からの旧家を売却するといったような話も耳にするところです。
これでは、昔ながらの風景にも影響を及ぼしそうです・・・
相続税のかかってくる方達にとっては、一番、悩ましい税金かもしれません・・・
良きアドバイザーとして、少しでも、お役にたてれば、幸いです・・・
平成23年2月に最高裁の判決が出た武富士事件・・・
この武富士事件とは、簡単に概略をお話すると・・・
武富士の創始者が長男を香港に在住(名前だけの香港支店をつくった)させ、香港在住時に武富士の株式の多数を所有している海外法人の株式を長男に贈与をしました。
当時の相続税法では、海外の居住者が海外の財産を贈与または相続で取得した場合は課税対象外となり、贈与税または相続税は課されないものとなっていました。
当然、贈与をうけた長男も贈与税の申告はしませんでした。
この事実に対し、所轄税務署長は贈与税の決定処分を下し贈与税を課すこととしました。
その決定処分の理由は、住所の考え方でした。
所轄税務署側は、香港の住所は、税務上の住所ではない・・・税務上の住所は国内の家にあるとしたものです・・・
その根拠は、香港の住まいはホテルのような住まいであり、生活のすべてを移転したとはいえない、これは税負担を回避することを目的とした寓居であるといった感じです。
その他の根拠は、年間の日本に滞在している日数等も立証項目にあげていました。
そして、何といっても、この税負担を回避すべきスキーム等を考えた公認会計士等が、長男の日本国内に滞在する日数を一定以上超えないように指導していた事実などをあげていました。
この贈与税は、実に1300億円もの金額にも上るものでした。
この決定処分に対しては、当然ながら、納得するわけもなく、税務訴訟にとなりました。
東京地裁は、香港に住民票も移転してあることから、国内の住所という論拠には無理があるとして、国の敗訴となりました。
東京高裁は、税負担回避の意図的な海外移転であるとして、国の勝訴となりました。
最高裁は、租税法律主義は守られるべきとして、遺憾ながらも住所を国内として課税することには無理があるとして、国の敗訴となりました。
この判決によって、還付加算金も含めて約2000億円が還付されるようになったようです・・・
この一連の訴訟を行っている間にも、同様の租税回避の行為を避けるべく、相続税法の納税義務者の規定についての改正を行いました。
前々から、同様の改正は行っていきたい意向であったようですが、なかなか改正に踏み切れなかったものが、この武富士事件を契機に改正への道を辿ったようです。
この改正で、海外居住者であっても、日本国籍を有する一定の者については、海外財産を贈与や相続で取得した場合、課税されることとなりました。
これで、とにもかくにも、日本国籍を有する者であれば、海外に住所を移転しても、海外財産の贈与や相続の課税を行えることとなってきます。
逆にいえば、日本国籍を有さない海外居住者者の贈与や相続により取得した海外財産は課税されないこととなります。
それで、その後の税制改正で、さらに、日本国籍を有しない海外居住者であっても、贈与や相続時の海外財産の贈与者もしくは被相続人が国内に住所を有している場合は、課税できることとなりました。
武富士事件を、契機に、海外財産の相続や贈与での課税強化がされることとなってきました・・・
海外に財産を移すことによって、相続税や贈与税を軽減する・・・
これは、日本に限らず、先進諸外国でも、行われています。
また、タックスシェルターと呼ばれる節税用商品も頻繁に販売されています・・・
日本の場合、節税効果の高い金融商品などは、都度、税制改正でその評価方法を見直し、節税の効果をなくさせています。
年金の受給権の評価方法(相続税法旧24条)の改正などが、その代表例でしょう。
その他、たとえば、法定相続人の数に算入する養子の数の制限の改正なども、課税強化の一環です。
もっとも、養子の場合は、不自然すぎるほど、養子縁組をするケースが目立ちましたので、その改正が行われたのでしょう。
相続開始前、3年以内に取得した土地や建物の相続税評価額が、相続発生時の取引相場価格(路線価や固定資産税評価額は使わない)と改正されたのも、税負担を免れるために不動産を直前に購入するケースが続いたことが要因でしょう。
もっとも、デフレ時代とともに上記の評価方法は元に戻ることとなりましたが・・・
相続税の基礎控除の減額もあることながら、海外への財産移転に対する課税の強化もされてきています。
民主党政権時の税制改正大綱に盛り込まれた生命保険金等の非課税の対象者の制限(同居親族、未成年者、障害者)は、政権交代で見送られてきました。
この生命保険金等の非課税にも改正は及んでくるのでしょうか・・・
気になるところではあります・・・
前回のブログでは、武富士事件と納税義務者の要件について触れさせていただきました。
海外居住者が海外財産を、贈与もしくは相続で取得した場合の取扱いの変遷についてでした。
今回は、平成17年に税務訴訟となった航空機リースに係る件について簡単に触れさせていただきます。
この航空機リースとは、民法上の任意組合が出資者を募りその出資額とノンリコースローンで航空機を取得し、航空会社にリースをしたリース料からローンや諸費用を差し引いた金額のうち出資額に応じた分を、その出資者が不動産収入として受け取るというというものです。
このポイントは何といっても、不動産収入となっていることです。
任意組合で航空機という不動産を所有する・・・
これに出資した出資者は、出資額に応じた航空機を所有しているという解釈です。
出資といった観点で観ると、その出資したものが不動産といった代表的なものはJリートでしょう・・・
ただ、Jリートの場合は、その不動産は信託受益権となっていますので、信託受益権という配当を受け取れる権利に出資しているということになってきます。
ここが、組合を組成して不動産を所有することと大きな違いです。
もっとも、最近は組合で不動産を所有して、賃料相当分を配当として受け取るといった商品もよく見かけます。
信託受益権とする手間や経費がかからないといった手軽さは、あるかもしれません。
この、不動産収入として受け取る・・・配当として受け取る・・・何が違うかといいますと・・・
不動産収入として受け取った場合、その所得は不動産所得・・・
配当として受け取った場合。その所得は雑所得・・・
不動産所得と雑所得の大きな違いは・・・
不動産所得は、減価償却ができます、そして損益通算ができます、さらに相続発生時には不動産の評価方法が適用されます・・・すなわち、土地は路線価、建物は固定資産税評価額ということになってきます。
所得税では減価償却ができる・・・相続税では不動産としての財産評価が適用される。
これは、金融商品として所有するよりは、節税効果は高くなってくるでしょう。
雑所得は、減価償却もなければ、損益通算もできません、相続発生時には、金融商品として相続発生時の取引相場価格での評価となるでしょう・・・
雑所得扱いでは、投資対象が不動産というだけで税務上の不動産を所有していることによる節税効果は得ることは出来ないこととなります。
この所得区分が、時に、税務訴訟となっていくわけです。
上段の航空機リース事件で申し上げますと・・・
任意組合の取得した航空機のリース料を不動産収入とするということは、航空機の減価償却が経費として差し引かれることとなります。
このケースの場合、リース期間は、確か6年・・・6年で航空機を減価償却・・・結果、大きな不動産所得の赤字が生じることとなります。
この赤字が、例えば事業所得や給与所得で所得税率50%の高所得者の方にとっては、大きな節税効果となって表れてきます。
逆にいうと、不動産所得以外の所得が少ない人にとっては、メリットがないこととなってきます。
そして、6年経過した後、その航空機を売却してローンの返済、出資額の弁済に充てるわけです。
この売却時に、当然ながら短期で減価償却を行ってきた分、多額の譲渡益がでてきます。
ただ、6年経過後ですから長期譲渡所得で2分の1の課税価格となってきます。
総体的にみると、かなりのキャッシュが手許に残るという試算もされています。
この、航空機リースのスキームについて、課税庁側は、任意組合を民法上の組合契約ではなく利益配当契約として、更正等の処分を行いました。
不動産所得としては、認めません。
減価償却も、損益通算も否認されることとなりました。代わりに譲渡の所得は発生しないこととなります。
この、処分にかんして納税者側は、訴訟をおこし、結果は納税者側の勝となりました。
不動産所得が、裁判では、認められたわけです。
その理由としては、第一には任意組合を否定するだけの要件がなかったということでしょうか・・・
うまくいけば、手許に相応のキャッシュが残る反面、航空機の相場によっては損をする可能背もありといったところが、sの理由にあるようです。
必ずしも、得するだけとはいえず、節税できる半面、リスクもある。
ということが、利益配当契約と言いきれなかったということだと解釈しています。
この結果を受けて、課税庁側は、所得税の改正をしました。
任意組合からの所得は、損益通算対象外と・・・
これで、同様の節税を目的とした行為は、できなくなってしまいます。
結局、法律で定めてしまえば、その法律に基づいて課税されることとなりますので、節税が大きくできる商品には注意が必要かもしれません。
租税回避行為とその徴収のための税制改正は、まさにイタチごっこのようです・・・
毎年の税制改正大綱には、目が離せません・・・
非常に長い間、 ブログの掲載を休んでおりました。
相続税の申告業務がつまっているなか、書く暇もなかったのが正直なところですが、ここにきて申告書の作成に慣れてきたせいか、先が読めるようになり、多少の気持ちの余裕が出来てきたのかもしれません。
これからは、従前のように、定期的にブログを書いていきたいと思っています。
今日は、お孫さんの名義預金についてお話させていただきます。
名義預金とは、ご周知のことと思いますが、被相続人が生前に子供や孫の名義の預金口座に当人たちに黙って資金を移して遺しておくことです。
この預貯金の通帳も印鑑も、名義人には渡さずに、被相続人が保管していたという状況にあったものが対象となるといわれています。
この名義預金は、被相続人のものであるとして、名義は子供や孫であったとしても、被相続人の相続財産に算入して、相続税の計算をすることとなります。
その根拠は、民法上、贈与はあげる人と貰う人の合意がなければ成立しないことから、上記のようなケースでは、贈与は成立しておらず、その名義預貯金は被相続人の相族財産であるとされています。
他には、その預貯金の管理が被相続人がされており、名義人でありながら、自由に取り扱えない事実であることなどがあげられます。
相続税の計算上は、名義預貯金を相続財産として相続税を計算する。
遺産分割協議書上は、名義預金も分割対象として協議書に記載する。
相続税の計算は、ただ、名義預金を算入して計算すればいいだけですから、それは、それで、対応するだけなので、名義預金に該当するか否かの判定をきちんと精査してしまえば、あとは、粛々と作業をすすめればいいだけでしょう。
悩ましいのは、遺産分割・・・
子供の名義預金の場合は、基本、名義預金の名義人がその名義預金を取得する、そして相続人が子供2人のみの場合で法定相続分で分割しようとの合意であった場合、双方の名義預金に差があった場合は、他の財産で調整すれば協議自体はまとまりやすいと思われます。
ここで、名義は自分のものだから名義預金は全て自分、名義預金を除いた他の財産を法定相続分で分割するべきと、名義預金の多い相続人が主張すると、他の相続人から、そもそも名義預金は贈与が成立していない云々と主張され、争いのもととなるやもしれません。
名義預金は、誰に帰属しているのか・・・?
贈与が成立していないから被相続人のもの、だから相続財産に算入して相続税を計算する。
子供の名義預金の場合は、相続人の名義預金であるから、ほぼ、名義人が取得する遺産分割協議書となるであろうと予想されますから、最終的には、名義人に帰属することとなるでしょう。
お孫さんの名義預金の場合は、この帰属という観点では、悩ましく思えてしまいます。
遺産分割協議書上で、お孫さんはお孫さんの名義預金の取得者とはなりえません。
当然です、相続人でないわけですから、相続で財産を取得することはできません。
お孫さんの名義預金の場合は、その親御さんである相続人が取得することで遺産分割協議書を纏めることとなるのが一般的なようです。
一旦、親が相続して、親から孫に贈与で引き継ぐという方法です。
ここで、悩ましいのは、手続き・・・
法律上の理屈では、確かにその通り・・・
しかし、金融機関はこの分割協議書のみでは、孫の名義預金の解約や名義変更は認めないでしょう。
孫の同意が必要、そして孫が未成年の時は特別代理人の同意が必要となるでしょう。
この同意のもと、孫から相続人に名義を変えた場合、孫から相続人への贈与の認定の心配も考えられます。
名義人の同意がなければ、何もできない名義預金は、誰に帰属しているのか
金融機関の手続を考えると名義人?孫が名義人であれば孫?孫でなければ孫の名義預金は何もできないという事実と法律上がかみ合わないという現実
このように考えると、社会通念上の名義預金は名義人のものであると思われます。
そもそも、名義を移した時点で贈与の契約の成立云々でなく、その名義預金は名義人のものであろうと、これは、私の個人的な考えです。
税務上は、相続財産に算入して適正な相続税を納付すればいいのかなと、あえて、遺産分割のテーブルに乗せなくてもいいのかとも思えてきます。
それでも、相続人の名義預金は遺産分割協議書の対象としても、問題は無さそうです。
悩ましいのは、孫の名義預金・・・
遺産分割協議書のテーブルに乗せると、相続人が孫の親のみならまだしも、叔父や叔母がいた場合、その孫の名義預金について、叔父や叔母も自分たちの権利を主張してくることは、充分に予想されます。
たとえ、被相続人が体の不自由な孫を気遣って密かに遺してくれていた孫の名義預金であったとしても、法律上は、相続人全員にその名義預金の一部をもらう主張はできることとなってきます。
個人的には、贈与の成立云々でなく、基本的には、名義預金は名義人に帰属するものであると解釈しています。
例外としては、被相続人が軽い認知で、それをいいことに預金を作らせた愛人とかのケースでは、別の意味で、否定すべきかとは思います。
一番大事なことは、被相続人の体の不自由な孫に財産を遺してておいてあげたいという思いを、いかに、円滑に実現しうるかと考えることでしょう。
円滑に、財産をお孫さんに届くように遺してあげられるのは、生命保険でしょう。
お孫さんですから、非課税の恩恵は受けられないので、税額は名義預金と変わらず節税の効果はありませんが、スムーズに財産を受け取ることはできます。
いかにして、被相続人の思いをかなえさせてあげられるのか・・・
体の不自由なお孫さんへの最後のプレゼント
その思いは大切に実現させていただきたいと思います。
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荒木達也税理士事務所 税理士 荒木達也
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